鮮魚店の陳列棚から毛蟹が集団脱走!? ラップ破り…「活きがいい証拠」「ペットショップ兼ねてる?」

岩手県陸前高田市にある鮮魚店が販売する毛蟹の写真が、SNS上で話題になっている。プラスチックトレーに乗せられ、陳列棚に並べられた毛蟹たち。しかし、トレーを覆うラップを破り、歩き回っているではないか…!1匹だけではなく、ほとんどがラップを破壊する始末。店はこの光景を綴った。「ヤバい、集団脱走」

投稿したのは、「荒木鮮魚店 (@arakisengyo) 」。店に並ぶ魚介類は、気仙沼と大船渡の魚市場から朝一で仕入れているという。毛蟹が脱走するのは日常茶飯事で、「ラップが破れたら、基本的にそのままにしていますね(笑)でも、まとめて脱走するのは珍しいです」と担当者は話す。

Xに投稿すると、反響は続々。「活きがいい証拠」「やんちゃだな~」「ペットショップ兼ねてる?」「逃走する蟹の気持ちも分かる」などのコメントが並んだ。

■東日本大震災で被災後、8年後にオープン

こんな風にSNSで明るく、楽しく店の様子を発信する荒木鮮魚店の店主らだが、2011年の東日本大震災では、大船渡市の卸業工場と居酒屋、店主の家族が暮らす自宅が津波で流された。残った区画で店を再開。地元・三陸の魚の美味しさを食卓に届けてにぎわいを作りたいと、19年に陸前高田市の中心街に鮮魚店を構えた。

たなご235グラム349円、いわし方刺し328円、毛蟹310グラム1543円…。店には新鮮な魚介類がリーズナブルな価格で並ぶ。寿司や総菜もあり、天然本マグロの大トロ寿司が10貫で1380円、盛り合わせ10貫888円など、“大大大奉仕”の日もある。

「震災直後はスーパーに生の刺身などは置けなかったんです。温暖化の影響もあって生息する魚も変わってきましたが、ここ数年はSNSを見て県外からもお客さんが来てくれて、この前は福岡から日帰りでわざわざ来てくれました。DMで感想を送ってくれる方もおられます。素直にうれしいの言葉に尽きますね。人口1万数千人の町ですが、少しでも、地元を引っ張っていければと思います」

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

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