「猫が外に出てしまいました」「何匹ですか」「2匹…さらに4匹です」 2週間以上の大捜索劇が始まった

2023年秋、関西のとあるエリアで飼われていた2匹の家猫が、深夜室内のドアロックを器用に解錠。さらにトイレの窓を自力で開け、外へ出てしまいました。それを知った飼い主さんは、顔が真っ青に。

■2匹の捜索中に「さらに4匹が脱走」の知らせ

外に出た2匹は茶色いフサフサの毛並みの「いぶきくん」と黒毛でカギしっぽが特徴の「だいすけくん」。

飼い主さんはすぐに、猫にまつわるあらゆるサポートを行う会社「ねこから目線。」に相談。同社のスタッフは2匹の捕獲に乗り出しました。これまでに数多くの脱走猫を捕獲してきた同社スタッフは、2匹が現れそうな近隣にカメラを設置。写り込んだ2匹の様子から行動範囲などを推測し、捕獲器を設置。無事に捕獲できるよう万全の対策で挑みました。

依頼から数日後、まずは「いぶきくん」を捕獲することに成功。「だいすけくん」も程なくして捕獲できることを願い、引き続き捜索を続けていました。

ところが飼い主さんから思わぬ連絡が入りました。なんと、この家の別の猫4匹が脱走してしまったのです。

■ゼロスタートの気持ちで5匹の捕獲に乗り出す

聞けば、家のサッシのロックが外れていて、そこから4匹の猫が外へ出ていってしまったと言います。

結果、捕獲を目指していた「だいすけくん」に加え、「ときちゃん」「さきちゃん」「みぃこさん」「ぷぅすけくん」の合計5匹が脱走状態に。さらに聞くと、これらの猫たちは、最近数カ月以内に保護されたばかりで、通常タイプの捕獲器は経験済みとのこと。ハードルの高さを思うと気が遠くなるスタッフでしたが、とにかくやるしかありません。

■近隣の方の協力で4匹を無事捕獲

翌日、5匹のうち、ときちゃんが飼い主さんの家の敷地内におり、そのまま部屋に誘導。無事、家の中へ戻ることができました。

目撃情報などから、4匹が来そうな餌場付近を張り込むことに加え、迷子猫捜索のポスティングも行い、近所の方からの情報提供を呼びかけました。その後、力を貸してくれた近隣の方から「三毛を敷地内で見た」と連絡があり、ほどなくして、みぃこさんとぷぅすけくんは立て続けに無事捕獲に成功。そして、だいすけくんも設置していた捕獲器の中に無事入ってくれました。

残すはさきちゃんです。「無事帰ってきて」と願う飼い主さんの思いを受け、スタッフはさらに慎重にさきちゃんの捕獲を目指しました。

■残り1匹も無事捕獲。6匹とも家に帰ることができた

実はさきちゃん、周辺に設置したカメラ映像に一度も映らず、行動がまったく分からないままでした。

手がかりをつかめない中、一週間ほどが経過した頃、チラシを見た方から連絡がありました。「朝、窓をあけたら、さきちゃんらしき猫がうちの敷地にいた」と言います。この方の好意で敷地にカメラを設置させてもらうと、映像にさきちゃんの姿がありました。

スタッフは本格的にこの家付近で捕獲を目指し、捕獲器を設置。間もなくしてさきちゃんが捕獲器の中に入ってくれました。

最初の2匹の脱走からここまでに約2週間半。睡眠を削って猫たちの捜索にあたってきていた飼い主さんは「猫たちが無事に帰ってきてくれて本当に良かった」と胸をなで下ろし、スタッフ、近隣の方にお礼を述べました。また、ドアノブを開けたり、サッシロックを外したりする器用な猫がいることも踏まえ「何重にも脱走防止をしたほうがいいですね、二重三重の対策をすることにします」と話していました。

スタッフにとって最大のねぎらいは、家に帰ることができた6匹の無邪気な表情。「これからは大事なお家から出ちゃダメだよ」と優しく声をかけ、大捜索劇の幕が下りました。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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