港に入る漁船に「釣り竿を持っていかれた!」釣り人ブチ切れに漁師困惑…「釣りより船が優先」「竿を上げるのがルール」

漁船の入港時に、釣り人にブチ切れられ、困惑する船長の訴えが話題を呼んでいます。 秋田で底引き網漁船の船長を務めるえっこ(@Ryueimaru1)さんが、母港である秋田県にかほ市の金浦漁港に漁船を入港させたところ、岸壁にいた釣り人が猛然と詰め寄ってきて、「(漁船に)釣り竿を引っ張られたんですけど」と抗議されたといいます。しかし、漁船が入港する航路を釣り竿が邪魔した場合、漁船の入港が優先されるのがルールです。金浦漁港は釣り人が東北各県から集まり、マナーの悪化も指摘されています。「港で釣りをするなら、船が来たら仕掛けを回収して、竿を上げるのが釣り人のルールだと思います。キレられても困ります!」とTwitterで訴えたえっこさんと、漁港を管理する秋田県漁協南部支所に聞きました。

■海への排尿、草むらへの排便…基本的なマナー知らない人も

えっこさんや秋田県漁協南部支所によると、8月のある昼下がり、母港の金浦漁港に漁船を入港させたところ、40代くらいの女性の釣り人が漁船を追いかけてきたといいます。

ーーその釣り人とのやり取りを教えてください。

「自分が船を停めているところまで車で追いかけてきて、『釣り竿引っ張られたんですけど』と言われました。何のことか分からず話を聞いたところ、『釣りをしていたら、船に竿ごと持っていかれた』と言われました。(そんなことは)知らないし、無いものは無いと言ったら、文句言いながら、また周辺を探していました。その間に船を降りて帰ろうとすると、もの凄い剣幕で睨まれた、という感じです」

秋田県漁協南部支所は「漁船の航路が優先されるのが基本的なルール。地元で小さい頃から釣っていた人なら、『船来たら仕掛けを上げるのんだよ。竿を(船に)持って行かれても文句は言えないよ』と教わるんですが、あまり釣り経験のない人だったのかもしれません」と状況を推し量ります。えっこさんも「(船が来たら)竿を上げるというのは当たり前の事です」と話します。

金浦漁港では、ハタハタが釣れる冬場に秋田県内外から釣り人が集まり、釣り道具や飲食物を放置したり、路上駐車が問題となっており、地元の秋田魁新報が報じています。

ーー金浦漁港ではいつごろから釣り人のマナー悪化が問題になっているのでしょうか。

「ずっと昔から問題になっています。ハタハタが釣れる時期になると仕掛けをそのまま海に捨てたり、ゴミも捨てたり、草むらでの排便、海への排尿も普通にあります」

   ◇  ◇

秋田県漁協南部支所によると、日常的に利用する地元の釣り人で問題を起こす人は少なく、大半が海釣りのルールを知らない初心者とみられるといいます。えっこさんの投稿は5.5万件のいいねが付き、「船が来たら仕掛けを上げるのは、釣り人のマナー」「こういう人のせいで釣り禁止の場所が増えるんだよ」といったコメントが寄せられています。えっこさんは「僕も趣味が釣りなので、釣りをするなとは思いませんが、漁港で釣りをする際の最低限のマナーは守って、楽しく釣りをしてほしいです」と話していました。

(まいどなニュース・伊藤 大介)

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