鳥の形をしたパンが話題「優しさが届きますように」 店主は戦火キエフのパン屋をリスペクト
「そういえばウクライナには春分を祝う鳥の形のパンがあるんですよ。本当はもっと可愛いはずなんだけど私は不器用なので不細工に…早く春を祝えるようにしてくれ」とツイートしたのは、東京都杉並区のベーカリー兎座Lepus店主さん(@inabashiro)。そこには可愛い鳩のようなパンが写っていました。それを見た人たちからは、ロシアのウクライナへの侵攻が激化するなか、「鳥たちが歌う平和なウクライナになってほしいですね」というリプライが相次ぎました。中には、鳥ではなくアザラシに見えたという人も。
「早く落ち着いて春を迎えられるようになってほしいものですね…」
「素敵なパンですね。温かみのある素敵なパンです。不細工なんてとんでもない」
「めっちゃ可愛いアザラシ!!と思ったら鳥さんだったのですね。でも、とても可愛いのでありだと思います!!平和になりますように」
「ごめんなさい、アザラシにしか見えなかった(笑)可愛い」
「可愛いあざら…鳥さん」
「ウクライナの方々にあなたの優しさが届きますように」
投稿したべーカリー兎座Lepus店主さんに話を聞きました。
ーーなぜウクライナのパンのことをご存じだったのですか。
「このパンは、ジャイヴォロノクというパンなんです。当店ではウサギ型のパンを作っているので、他に動物の形をしたパンが無いか色々インターネットで探していてたまたま見つけました。いわゆる8の字成型と言われる初歩的な成型に手を加えた物なので、何度か作成したことがあり覚えていました」
ーーどんなパンなのか詳しく教えていただけますか。
「このパンは春分の日に作られるものです。40人の聖人になぞらえていています。春の訪れと共に40種類の鳥たちが飛び始めるので、40羽のジャイヴォロノクを焼いて、親しい人と分け合ったり木に吊して飾ったりして祝うものと記憶しています」
ーー春の訪れを祝うものなのですね。なぜこのパンを焼いてみようと思われたのですか。
「戦火の中でもパンを焼き、営業を続けているキエフのパン屋さんの写真を見たからです。同じ立場になった時、自分も同じことができるだろうか、と考えると難しいと思います。この方は相当の覚悟と仕事へプライドがあったのかなと。私が知っているウクライナのパンを焼くことで、少しでも応援になれば良いなと思いました」
ーーそうですね。鳥のパンは今でも販売されているのでしょうか。いつまで販売されますか。
「写真のジャイヴォロノクは販売しておらず、お子様連れのお客様に配りました。でも、購入の問い合わせが沢山ありましたので今週末から販売しようと思っています。せっかくできたご縁なので、お代の一部をウクライナへ寄付しようと思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)