大晦日の終夜運転 関西大手私鉄で近鉄のみ2年ぶり…年越しは特急「ひのとり」で伊勢参りへ

12月に入り、2021年も残りあとわずかになりました。12月になると、各鉄道会社から大晦日の終夜運転のダイヤが発表されます。昨年はコロナ禍の影響で寂しい内容でしたが、新規感染者数が落ち着いている今年はどうでしょうか。関西地区を中心に紹介します。

■JR西日本、終夜運転は行わず、臨時列車で対応

JR西日本・関西地区では大晦日に終夜運転は行わずに臨時列車で対応します。

▽JR京都線・神戸線 京都~高槻間:約40分間隔、高槻~西明石間:約20分間隔(0:00~3:00頃)

▽奈良線 京都~城陽:約30分間隔(0:00~3:00頃)

▽学研都市線・JR東西線 四条畷~京橋~尼崎:約30分間隔(0:00~3:00頃)

▽大阪環状線 内回り・外回り:約15分間隔(0:00~3:00頃)

▽大和路線 奈良~王寺:約60分間隔 王寺~JR難波:約30分間隔(0:00~3:00頃)

▽万葉まほろば線 奈良~桜井:約30分間隔(23:00~3:00頃)

※臨時列車はいずれも普通列車

JRゆめ咲線や阪和線は通常通りの運行となるのでご注意ください。また臨時列車が運行されると言っても、通常より運転本数は大幅に減少するので、あらかじめJR西日本のウェブサイトでダイヤを確認することをおすすめします。

■関西大手私鉄では近鉄が終夜運転を実施

関西大手私鉄では阪急、阪神、京阪では大晦日の終夜運転や臨時列車の運行は実施しません。南海は終夜運転は実施しませんが、南海本線で最終列車の発車時刻を延長します。対象となる区間は難波~高石間で難波発2時20分、高石発2時23分が最終列車となります。なお北助松駅以南の各駅は通常の土休日ダイヤです。

関西大手私鉄で唯一終夜運転を実施するのが近鉄です。近鉄では大晦日から元旦にかけて、運転区間の延長も含めると特急列車は22本、一般列車は202本、ケーブル・ロープウェイは111往復が運行されます。

大阪~伊勢間、名古屋~伊勢間では名阪特急「ひのとり」を使った臨時特急列車が運行されます。「ひのとり」を使った大阪~伊勢間の臨時特急列車は大阪難波発0時0分、1時0分、2時0分発宇治山田行き、五十鈴川発2時35分、3時35分、4時07分発大阪難波行き(4時07分発のみ大阪上本町行き)となります。

その他、京都~伊勢、奈良→京都、京都→橿原神宮前、大阪阿部野橋~橿原神宮前、名古屋~伊勢間などで臨時特急列車が運行されます。なお吉野線、田原本線、湯の山線・志摩線では終夜運転は行われません。

■2年前と比較すると…まだまだ寂しい内容

近鉄が2年ぶりに終夜運転を実施しますが、2年前と比較するとまだまだ寂しい内容です。2019年12月31日~2020年1月1日に行われた終夜運転を簡単に振り返ることにしましょう。

JR西日本・関西地区ではJR京都線・神戸線(京都~西明石)、大阪環状線、JRゆめ咲線、万葉まほろば線にて23:00・0:00~5:00頃にかけて臨時列車が運行されました。

この時は琵琶湖線や阪和線などで終夜運転が取りやめになったことで話題となりました。コロナ禍前から終夜運転の縮小は始まっていましたが、コロナ禍により加速したといえます。

関西大手私鉄では全社で終夜運転を実施。このうち阪急京都線では通常ダイヤでは本数が少ない快速が終夜運転時間帯に18本も運行されました。

近鉄では大阪地区だけで臨時特急列車が57本、大阪線で32本が運行されました。もっとも1970年代の終夜運転では大阪~伊勢間で50本以上の臨時特急が運行され、1980年代後半まで終夜運転時間帯に運行される臨時特急には「越年号」という愛称がつけられていました。

新型コロナウイルス感染症が終息すると、大晦日の終夜運転も復活することでしょう。しかし生活形態が変わり、コロナ禍前と比較すると運転区間は縮小するのではないでしょうか。いずれにせよ、来年に期待したいところです。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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