「仮面ライダー」と「うなぎ屋」と 2020年全局制覇女優・松本若菜の原点

昨年は民放全ての局のドラマに顔を出していたという。「コロナの影響で放送や出演作の上映がずれ込んだことが理由なので、本当にたまたまです」と謙遜するが、たしかにやたらと顔も名前もよく見るようになった人。気づいたら名バイプレイヤー!?そんな女優・松本若菜(37)の快進撃のスタートラインは、平成仮面ライダーの中でも特に人気の高い『仮面ライダー電王』(2007年)だ。

5月7日公開の『大綱引の恋』(佐々部清監督)では、女優デビュー作『仮面ライダー電王』でも一緒だった中村優一と再共演。松本は「私と中村さんの再共演に“激アツ!”と思ってくださるファンの方も多いようです」と反応に喜び「周囲の方々が『仮面ライダー電王』でのイメージをいまだに私に持ってくださっていて、平成仮面ライダー史上1、2を争う人気作であると改めて実感します」と古巣に感謝する。

『仮面ライダー電王』での約1年間の撮影は、まさに学びの場。業界用語もそこで一から教わったという。「ちょっとした空き時間に“バミリって何ですか?”“肩なめとは?”などとスタッフの方に聞いたりして、実地で覚えていきました。私のスタート地点というか、基礎のキを教わった大切な作品です」と思い入れは必然深い。

新宿にあるうなぎ屋でアルバイトをしながら撮影に通う日々だった。「上京してからすぐにアルバイトをした場所だったので、仮面ライダーの出演が決まったときはお店の方々も大喜びしてくれました。みんな自分事のように喜んでくれて、急遽撮影が入ったときも“行っておいで!”と気持ち良く送り出してくれました」。アットホームな支えがあっての駆け出し時代。良き思い出だ。

“バミリ”“肩なめ”も知らなかった14年前と違い、今では撮影現場での立ち振る舞いをそれなりに知るようになった。同時に生みの苦しみも。「デビュー当初はすべてが目新しいですから“楽しい!楽しい!”が先行。しかし年月を重ねて経験を積めば積むほど、役を作り上げる上での苦しみも知るようになりました」と心境も変化している。

加えて「楽しい」ではなく「嬉しい」に変わったのも進化の一つだろう。「佐々部監督のように、同じ方に再び呼んでもらえること。そこに私への信頼や期待を感じる。その思いをくみ取り、自分にしかできない何かを作り上げたいと思う。昨年はありがたいことに様々な作品に携わることができて、知り合いの方から“ずっと出ていない!?”と連絡をいただいたほどです。そんな反応が凄く嬉しい。今後も変わらず、一つ一つの仕事に向き合っていければと思います」と抱負。今年2021年も松本若菜の全局制覇を期待したい。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス