校外学習で「動物愛護センター」のことを知り家族を説得…「今度こそ幸せに」猫を引き取って感じた施設の願い

にゃ助くん(7歳・オス)は、尼崎動物愛護センターで里親を募集していた。中学生の時、校外学習で愛護センターを訪れた塚本さんは、センターから猫を譲渡してもらいたいと両親を説得。1匹迎えることにした。にゃ助くんを譲渡してもらうことになったが、尼崎動物愛護センターは独自のシステムがあった。

■校外学習で動物愛護センターを知る

--なぜ保護猫を飼おうと思ったのでしょうか。

塚本さん:にゃ助は兵庫県の尼崎動物愛護センターより譲渡していただきました。2013年11月ごろ、私が中学生の時に、学校から任意参加の校外学習で愛護センターに行ったことがあったのです。実際に施設に行き、動物と触れ合ったり、施設の人からお話を聞いたりして、少しでも動物の命が守られ、1匹でも多くの動物が幸せに生活できるお手伝いができるのならと思い、譲渡に興味を持ちました。

帰宅後、家族に施設で聞いた話をして、自分が少しでも役に立てるのなら猫を引き取りたいと両親を説得しました。両親も私の話や実際にホームページなどを見て理解してくれ、2013年12月ごろ家族でもう一度愛護センターに行きました。

■人懐っこく賢い猫

--にゃ助くんに決めた理由は?

塚本さん:愛護センターでは里親を募集している猫や犬と触れ合える時間があり、実際に触れあってみて、譲渡してもらう猫や犬を決めることが出来ました。この時に初めてにゃ助と出会いました。2013年8月上旬に生まれたのではないかということでした。

にゃ助は、一匹狼的な存在でしたが、ほかの小さな猫の毛づくろいをしてあげたり、私たちが座っていると足の下に入ってきたり、とても人懐っこく、賢い猫でした。施設の人にも懐いていて、逃げることをしないので最後まで自由にふれあいの部屋を歩いていました。家族全員で行きましたが、みんながにゃ助のことが気になり、帰りの車ではずっとにゃ助の話でもちきりでした。そして次の日には施設に電話をし、にゃ助を引き取りたいという意向を伝えました。予約のような感じです。ほかにもほしい方が現れたら選考があると聞きました。翌週の週末に家族でまた会いに行き、早く家に来てほしいと思いました。

■譲渡して終わりではない

--尼崎愛護センターから譲渡してもらっていかがでしたか。

塚本さん:簡単に譲渡して終わりというのではないところが尼崎愛護センターのいいところだと思います。なんと家庭訪問があるのです!実際に施設の方が家に来られて、ゲージの準備ができているか、猫や犬にとって最適な環境であるかなど確認しに来られます。私たち家族はにゃ助が来るのが待ち遠しくて、エサ入れやおもちゃ、トイレも砂を入れて家庭訪問の日を迎えました。職員の方は、「準備万端ですね!」と少し笑われました。それぐらいにゃ助との生活が家族にとって楽しみなことだったのです。

家庭訪問を経て2013年1月8日、無事に譲渡。私は学校があったので両親が車で迎えに行きました。譲渡の日にはワクチンの接種が済んでいること、去勢手術を受けていること、にゃ助がいる限りほかの猫を飼わないという説明を受け、記念撮影をしたと聞いています。

にゃ助は車がとても苦手で、尼崎から自宅のある須磨までずっと鳴いていたそうです。家につきゲージを開けた瞬間に、床で寝そべって寝ていました。もっと警戒したり、ゲージから出てこなかったりするのかと思いきや、とてもリラックスした状態で、さすがだなと家族で笑っていました。私もその日は学校から走って帰ってきて、ずっとにゃ助と遊んでいました。

これで愛護センターとは終わり…と思いきや、実はまだあるんです。半年から1年ぐらいの間にもう一度家庭訪問があり、譲渡された猫や犬がどんな暮らしをしているのか確認に来られました。この愛護センターの仕組みに中学生ながらとても感銘を受け、施設の方々の『今度こそ幸せになってほしい』、『施設に戻ってくるようなことがあってはならない』という熱い思いのようなものを感じました。

■家族を幸せにしてくれる猫

--にゃ助くんは、どんな生活を送っているのでしょうか。

塚本さん:和風な名前がいいよねという話になり、私の兄にも「助」が入っているし、来るときにずっとにゃーにゃ-鳴いていたのでにゃ助という名前になりました。

とても人見知りで、インターホンが鳴るだけで隠れてしまいます。家族にはとても懐いています。とても臆病で、庭に自分より小さい鳥が来ても追い払うこともできず、見て見ぬふりをしています。

特技はドアを開けられることです。網戸や普通のドアも開けることができるんです。朝になると片っ端から部屋のドアを開け、ベットの横で鳴いたり、ゴロゴロ言いながら布団に入ってきてくれます。この時間がなんともたまらないんです。

夜の23時になると父が『にゃ助、ねんねの時間だよ』と言うと、ゲージから出てきて足元で転がっています。夜は父に抱っこされないと二階で寝られないようです。 

にゃ助はいつも家族のムードメーカーです。たくさん笑わせてくれますし、驚かしてくれたり、癒してくれたり。私たちが幸せを感じているようににゃ助も幸せを感じてくれていることを願っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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