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閉鎖的?仲間意識強い?…コロナ感染拡大で注目集める「田舎」の特徴…都会との違いを聞いてみた

新型コロナウイルスの流行で都道府県間の往来制限が呼びかけられるようになった影響か、都会と田舎の差異がよく話題にのぼるようになった。

特に、東京都在住の男性が岩手県盛岡市への帰省を父に相談したところ「岩手1号はニュースだけではすまない」という返事が返ってきたという話題は大きな注目を集めた。盛岡はけっして田舎ではないと思うが、やはり東京に較べると閉鎖的で住民間の相互監視が厳しい傾向にあるのだろう。

僕は都市部にしか住んだことがないので深くはわからないのだが、実際のところ都会と田舎にはどのような違いがあるのだろうか。それぞれの暮らしを知る3人の方にお話をうかがった。

   ◇   ◇


野中比喩さん(30代女性)
アーティスト、コスプレイヤー。奈良県の農村部出身。

中将タカノリ(以下「中将」):野中さんのご実家はどのような地域にあるのでしょうか?

野中:私は大阪で生まれたんですが、小さいときに今の実家に引っ越してきました。駅や新興住宅もあるのですが、基本的には農村です。周りは本家、分家とか血縁で繋がってるお宅が多いです。

中将:農村と言うと人付き合いが大変なイメージがあるんですが、窮屈な体験をしたことはありませんか?

野中:身内意識が強いせいか、娯楽がないせいか、みんな噂話が好きだなとは感じます。「〇〇さんの家は昨日、深夜まで灯りがついてた」とかそんなレベルの話が地域中に広がるんです(笑)。

中将:野中さんの場合テレビへの露出もあるし、そういった環境だと浮いてしまいませんか?

野中:幸い私が出演するような深夜のバラエティー番組を観る方はいないみたいで助かっています。でも特殊メイクのお仕事で出かける時など荷物が多い時に見つかると「あら、今から旅行?いいわね」みたいな感じでややこしいので気を遣いますね……。

中将:野中さんは東京など都会暮らしの経験もあるわけですが、ご実家での生活と較べるとどんな違いがありますか?

野中:いろいろありすぎるんですが、都会は電車が便利ですよね。実家に住んでいた時はイベント等に出演してもびっくりするほど早い時間に帰らないと終電が無くなってしまうんです。

中将:交通面の差は大きいでしょうね。逆に、都会に住んだからこそわかった田舎の良い点って思い浮かびますか?

野中:人の結びつきって悪いことばかりじゃないなと思います。礼儀をわきまえて仲良くお付き合いさえしていれば畑の野菜を分けてくれたり……大きなスイカを3つもらって冷蔵庫に入りきらないなんてこともありました(笑)。

   ◇   ◇


じょんさん(40代女性)
会社員。兵庫県洲本市の住宅地在住。

中将:じょんさんはどのような地域にお住まいでしょうか?

じょん:淡路島の洲本市にある住宅地です。仕事は地元でしていますが、週末は泊りがけで神戸で過ごしています。

中将:淡路島と神戸は海を隔ててますが30分~1時間くらいで行き来できるので距離感は近いですよね。じょんさんが現在のようなライフスタイルになったきっかけは何ですか?

じょん:20年ほど前ですが、バレーボールやバトミントンのサークルに所属していて、その活動が神戸や西宮で頻繁にあったことがきっかけでした。通っているうちに徐々に知り合いが増えて、サークルを辞めた今でも飲食店やインディーズのライブイベントに通っています。

中将:地元ではあまり遊べるスポットがないんでしょうか?

じょん:あっても都会のように多様ではないですね。特に夜は終わるのが早くて、バーのように気軽に入れるようなお店は少ないです。ライブイベントもたまにやっていますが、個人的に好きな感じのものはなかなか定着しないです。

中将:深夜型のお店やサブカルチャーイベントは人口の多い都会以外では難しいのかもしれませんね。

   ◇   ◇


Oさん(30代女性)
主婦。長野県飯田市の住宅地在住。

中将:Oさんのお住まいはどんな地域にあるのでしょうか?

O:今の家の近所は田畑まじりの住宅地という感じです。私は大阪府出身で、結婚をきっかけに長野県に移住しました。元がそこそこ都会っ子だったので、こちらに来た当初はカルチャーショックがありましたね。

中将:どういった点でしょうか?

O:交通の不便さは痛感しましたね。電車やバスは1時間に1本くらいなので、車がないと買い物もできません。移住してから、大阪ではほとんど乗らなかった車の運転を猛練習しました。

中将:たしかに都会の感覚だと電車が1時間1本はキツいですね……。

O:あととにかく虫が多い!大阪では見たことの無かったような大きな虫がいっぱいいるんです。この前も、大雨があった後に晴れた影響なのか町内が蛾だらけになってました。スーパーに行ってもイナゴや蜂の子売ってますし(笑)。

中将:それも苦手な人からしたらキツいでしょうね。スーパーではイナゴや蜂の子以外にどんなものが売ってるんですか?

O:それは普通になんでも売ってますよ(笑)。でも服とか雑貨は種類が少ないので、欲しいものは通販ですね。

中将:田舎のご近所付き合いは濃厚だと言いますが、そちらはいかがでしょうか?

O:私の町内には隣組っていう自治組織があってとにかくイベントや集まりが多いんです。ミーティングのようなものから清掃、食事会、冠婚葬祭……苦手な人からしたら辛いかもしれませんね。噂話が広まるのも早いです。

中将:地域性と関係あるのかはわかりませんが飯田市では「コロナの感染者が行った店」というデマが広がり問題になったことがありましたね……。ちょっと暗い話になってしまいましたが、逆に田舎の良い点ってどんなものでしょうか?

O:虫が多いのは難点ですが、自然が豊かなことはかけがえのない魅力だと思いますよ。野菜や果物も美味しいですし、農家の方が分けてくれるのでリンゴや桃、マツタケはあまり買った記憶がないくらいです。住環境ものびのびしていて、子供を育てるにはとてもいい環境だなと思いますよ。

   ◇   ◇

物理的な便利さ不便さ、文化的な環境、人間関係……3人のお話から、都会と田舎の差異をさまざまな面からうかがうことができた。

問題になりやすい田舎独特の人間関係の窮屈さは、同じ地域に住む者としての仲間意識が大きく作用しているようだ。しかしそれは反面、分かち合い、助け合うという人間が社会を営む上で欠かせない発想の根源にもなっており、一方的に批判できる性質のものではないように思える。

田舎の方にとって人間関係について柔軟な思考を持てるようになることはたしかに一つの課題。それと同じように、都会の方もなにか問題が起こった際に「だから田舎もんは」と短絡的に判断するのではなく、その背景にどのような事情があるのか深い考察を持てるよう努めていただきたいものだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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