大劇場の隣に移転した宝塚ホテルが開業 元ジェンヌの支配人・憧花さん「ここでまた夢のつづきを…」

1926(大正15)年の開業から90年あまり、阪急宝塚南口駅のランドマークとして地元住民や多くの宝塚歌劇ファンらに親しまれてきた宝塚ホテルがこのほど、宝塚大劇場の西隣に移転を完了。6月21日午前11時、グランドオープンした。支配人には元月組組長の憧花ゆりのさんが就任。新型コロナウイルスの影響で休演が続いている大劇場も7月17日の再開が決まり、宝塚のまちにまたにぎわいが戻ろうとしている。憧花さんは「新たな場所でお客さまに夢のつづき』を提供したい」と意気込みを語り、真新しいロビーで最初の利用客らを出迎えた。

この日はオープンに先立ち、テープカットなどのセレモニーが行われた。続いて憧花さんと阪急阪神ホテルズの藤本和秀社長、宝塚ホテル総支配人の八尾篤さんが取材に応じた。

タカラジェンヌからホテル支配人という異例の転身について、「これからどんなことが始まるのか自分でも想像がつかない」と笑顔を見せながら心境を語った憧花さん。「元タカラジェンヌという経歴を生かして歌劇団とのパイプ役を務めつつ、総支配人と“二人三脚”でこのホテルが皆さまの夢の場所となれるよう力を尽くしたい」と展望を述べた。

コロナ禍に見舞われて舞台に立てなくなった現役のタカラジェンヌたちにも思いを寄せ、「ようやく大劇場の再開が決まり、少しずつお稽古も始めていると思う。今はできることをひとつずつ積み重ね、また無事に舞台に立てるよう頑張ってほしい」とエールを送っていた。

午前11時、宝塚歌劇オーケストラの4人の生演奏が流れる中、オープンの瞬間を迎えた。再開を待ちわびていた利用客らが続々と訪れ、内装を見学したり、食事を楽しんだりと、思い思いの時間を過ごしていた。

   ◇   ◇

「阪神間モダニズム」とも称されるクラシカルなデザインが特長だった旧宝塚ホテル。移転後もその精神は継承されており、外観はもちろん、大階段や緞帳、シャンデリアなど内装の随所にも旧ホテルから連綿と続く歴史が息づいている。

5階建てで、客室は200室。宝塚歌劇のオフィシャルホテルでもあるため、全室で宝塚歌劇の専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」を無料視聴できる。2室ある特別仕様のデラックスツイン「レビュールーム」では、公演中の宝塚歌劇の写真や小道具、台本などを展示。部屋全体がまさに観劇後の「夢のつづき」を感じられるよう作り込まれている。

1階には各組の男役、娘役の大きな写真パネルを展示。2階には衣装や小道具、公演写真などを紹介するギャラリーも設けている。

(まいどなニュース・黒川 裕生)

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