京都の元猫カフェで暮らす16匹の猫たち 多くのファンに支持されるワケとは?

“京都西陣の築百年の町家で暮らす16匹の猫たちとそのお世話係のアカウント。”

 Twitterのプロフィール欄でこう紹介しているのは、京都にある猫カフェ、キャットアパートメントコーヒーだ(通称「猫アパ」)。Twitterのフォロワー数は13.5万人(6月14日現在)。現在は猫カフェを休業し、インターネットでのグッズ販売のみを行なっている。実店舗を休業してもなお、猫アパが多くのファンに愛されるのはなぜだろうか。店主でありお世話係でもある萬野裕美さんに話を伺った。

 猫アパのオープンは2015年4月。京都在住の萬野さんとご主人が、「京都らしい猫カフェ」をコンセプトに営業を始めた。しかし、萬野さんが病気を患ったことがきっかけで営業が困難に。そして2019年12月、猫カフェを休業し、ネットでのグッズ販売のみに切り替えた。

 もともとデザインの仕事をしていたという萬野さん。「時間に余裕ができたので、グッズを作りつつゆっくりしています。猫たちも変わりなくダラダラと過ごしています(笑)」と話す。

 猫カフェを営業している頃から欠かさず投稿しているのがTwitterだ。営業当初、来店客のほとんどが「Twitterを見て、ここの猫に会いたくて来ました」と言っていたという。一般的な猫カフェはお客さまと触れ合う様子を投稿していることが多い一方、猫アパは、猫たちのキャラクターがはっきりと現れているものを定期的に投稿している。

 お世話係にべったりのウニちゃん、構ってアピールが上手なフィオちゃん(通称:姫)、赤ちゃん言葉で登場するあずきちゃん(通称:あじゅき)など…16匹それぞれの人柄ならぬ猫柄が感じられる投稿が注目され、 “推し猫”を見つけた多くの人が虜に。アカウント開設から3年、フォロワーが10万人を超えたそうだ。

 ツイッターのフォロワー数が増え続ける中、その人気ぶりに着目したのがLINEだ。ある日、萬野さんはLINE側から、「LINE OpenChat」でトークルームを開設しないかとオファーされた。「LINE OpenChat」とは、様々なカテゴリのトークルームに匿名で参加することができるサービスで、多くの人と話を共有したいというLINEユーザーに利用されている。

 猫アパルームは猫の日とステイホーム期間に合わせて開設され、猫の話を共有したり、画像アルバムを作ったりしたそう。「これがきっかけで猫アパを知ってくれた方もいます。Twitterよりも近い距離でお客さまと交流できるので、LINEのお声がけがなくてもまた開設したいです」。

 猫アパが依然として猫たちの姿を発信し、ファンを増やし続けている背景には、萬野さんの熱い想いがある。「猫は何でも引っ掻く、臭いと誤解されることが多いんです。犬は良いけど猫はダメと言われてしまう物件もあります。猫の魅力を発信することで、猫に対する悪いイメージや誤解をなくしたいです」。

 猫アパは今後も、グッズの製作やSNSを通して猫の姿を発信していくそう。「私は猫の保護活動に直接関わることはできませんが、猫が幸せに暮らすためのお手伝いができたらいいなと思います」(萬野さん)。

(まいどなニュース特約・水上 純奈)

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