映画館も緊急事態! 関西の劇場スタッフが思い描く新型コロナ終息後のこと

新型コロナウイルス感染拡大の影響でエンタメ業界の金銭的ダメージは深刻だ。特に独立系いわゆる、ミニシアター業界の状態は切迫している。シネマコンプレックスでは大型作品の延長や時短営業も増えている。一方ミニシアターも期間限定で休館となるなど影響は確実に広がっている。一方でこの状況を打開するために、映画館ごとの募金活動、映画監督らによる映画館への援助活動も始まっている。そんな中、関西のミニシアターが新型コロナ終息後に目指すことを聞いた。

▼お客様と一緒に楽しむ

神戸の元町映画館の代表理事、高橋勲さんはコロナ騒動が収まった後に実現したいことがあると語る。「騒動が落ち着くまで全ての映画館が経済的に生き延びること、一人の従業員も欠けることなく乗り切って、お客様と一緒に心の底から楽しんで映画を観ることができれば…他のことはそれから考えたいです」と語る。

▼今までと変わらない状態へ

パルシネマしんこうえんの支配人、小山岳志さんは「オールナイト上映を継続したい。騒動が落ち着けば、お客様と沢山おしゃべりしたい。今までと変わらず劇場営業に向けて色々考えてます」と語る。

▼今回の騒動がプラスに働いてほしい

同じく神戸のCinema KOBEの支配人、木谷明博さんは「ネット配信など、今までは映画館で見ていたけれど、“映画館へ行くより手軽で楽しい”と映画館から足が遠のいてしまう方。普段は映画を見ることがなかったけれど、“騒動が落ち着いたら色々な映画館に行ってみよう”と身近に感じられるようになる方。どんな形であれ映画が皆様の生活にプラスの力を与えられることを願ってます」と語る。

▼小さいからこそできることがある

大阪の十三にある第七藝術劇場/シアターセブンの2館で番組編成を務める小坂誠さんは2月下旬以降から興行にダメージを受けたというが前向きだ。「奪われた上映の機会を取り戻せないか、あれこれ考える毎日です。インディーズ映画などの低予算を上映するシアターセブンは熱量高いファンの方とより楽しめるように上映機会を今までよりもっと作れるように劇場スタッフと検討中です」と話す。

▼独自規格で思う存分映画を堪能して欲しい

大阪、九条にあるシネ・ヌーヴォの支配人、山崎紀子さんは独自企画を楽しんで欲しいと意気込む。「6月には『砂の器』『ゼロの焦点』などの巨匠、野村芳太郎監督作品21作品と製作作品『八甲田山』の計22本の特集上映、7月には新作『セノーテ』を含む小田香監督全作品上映、夏は宮本武蔵シリーズ全5作などの内田吐夢監督特集と戦後75年企画特集など。秋には松竹映画100年記念特集など早く現在の状況が終息し、思う存分映画を堪能して欲しい」と語った。

▼ド深夜に思いっきり映画館で遊んでほしい

昨年、再オープンした京都みなみ会館は通常興行に加えて、オールナイト上映や特撮に関係した特集企画も行う。吉田由利香館長は大事にあたためていた独自企画も流れてしまったという。それを踏まえてこう語る。「毎週オールナイト上映やります!ド深夜に、1Fと2Fで別の企画して、どっちの場内も、ぎゅうぎゅうのパンパンに人を詰めて、大勢で泣いたり、笑ったりさせちゃいたい」。

これらはミニシアターのほんの一部の声だ。6日には吉田さんが発案し、全13館が連携したミニシアター支援策「Save our local cinemas/関西劇場応援Tシャツ販売」という救済企画も始まり、応援も多数寄せられているようだ。どの劇場も、今を生き抜き、より一層、映画館で面白いことをしたいと語ってくれた。「映画館を無くなさい」。映画館で働く人々の前向きな姿勢は映画好きに届いているはずだ。

(神戸元町映画館広報・宮本 裕也)

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