東須磨小問題受け、陸上競技会で学校名伏せる異例の措置…「児童に配慮」神戸市教委

 神戸市立東須磨小の教員間暴力が明らかになって約3週間。連日ワイドショーなどでも取り上げられ、収まる様子も見せない中、神戸市教育委員会は近く行われる陸上競技大会で、学校名を伏せる異例の措置を取ることを決めた。過去には北京五輪銀メダリストの朝原宣治さんらも出場した全国的にも大きな大会だが、いまだ苦情電話なども相次いでおり「児童の安全を最優先に考えた」とする。

 神戸市小学生陸上競技記録大会は、子どもの体力アップやアスリート発掘などを目指し、市教委などが毎年秋に開催。今年も市内162校1分校と義務教育学校、特別支援学校の5、6年生約5千人が参加する。

 だが、今月4日に東須磨小の問題が発覚し、同校を始め近隣校にも苦情電話が殺到しているほか、各メディアの報道も激化。「児童が声を掛けられ怖がっている」という報告や学校側の危惧もあり、今回は予選に限り、学校名の代わりに各校に割り振られた番号をアナウンスすることにしたという。

 ただ、子どもたちにとってもハレの舞台だけに「かえって東須磨の子どもたちがみじめな思いをしてしまうのでは」と懸念する声も。ある保護者は「仕方ないとは思うけれど、子どもは何も悪いことをしていないのに…。悲しいし、他校の子にも申し訳なくて苦しい」と胸の内を明かす。

 神戸市教委によると、具体的に保護者や児童から要望があった訳ではないが、「観客席には保護者らも大勢来られる。考えすぎかもしれないが、学校名を出すだけで変な目で見られるかもしれない。せっかくの大会だからこそ、子どもたちには普段の力を精一杯出してもらいたい」とし、ベスト16以降は「頑張った成果に」と学校名も呼ぶ予定という。併せて、会場の警備体制も強化する。

 この問題をめぐっては、市教委は東須磨小での給食のカレーの中止や、暴行の舞台になった家庭科室を改修する方針も示している。

(まいどなニュース・広畑 千春)

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