景気対策の「おトクな制度」フル活用…消費増税に負けず家計を守る方法をFPが紹介

 消費税増税がいよいよ10月に迫ってきました。すでに気が重くなっている方もいるかと思いますが、景気対策として様々な「おトクな制度」もスタートするので要チェック!自分から行動しないと適用されないものもあるので、この機会に確認し、増税に向けて万全の備えをしておきましょう。

【キャッシュレス決済でおトクに!一方で落とし穴も?】

 増税に対する支援策として私たち誰にとっても関係があるものに、キャッシュレス決済によるポイント還元制度があります。具体的には10月の消費税増税後9カ月間、消費者がクレジットカードや電子マネーなどを使って中小・小規模の小売店で支払いをした場合、個別店舗では5%、チェーン店では2%のポイントが還元されます。

 かなりおトクな制度ですが、注意すべき点も。今まで現金で支払っていた人が、いきなりキャッシュレスに切り替えると感覚をつかめず使い過ぎたり、電子マネーやカードを管理しきれなくなったりすることがあります。カードやアプリは使い勝手がいいものだけに絞り、使うシーンやチャージの方法なども考えておくことが大切です。ゴールデンウィークには経済産業省によるキャッシュレスのキャンペーンも実施予定なので、こうした機会も活用してキャッシュレスに慣れておきましょう。

【負担が大きい「家」と「車」の購入には様々な支援あり】

 高額な住宅・車の購入に関しては、数%の増税であっても家計へのダメージ大。増税前の駆け込み購入や増税後の買い控えを防ぐために、国も様々な支援制度を打ち出しています。家や車の購入を考えている人は、自分に当てはまる制度を確認し、購入のタイミングを検討しておきましょう。

▼住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の延長

 住宅ローン減税とは住宅購入から一定期間、年末の借入残高の1%(年間最大50万円)が、所得税などから控除される制度です。こちらの控除期間が現在の10年間から13年間に延長予定。なお11~13年目は「年末ローン残高の1%」「建物価格の2%を3等分した額」のいずれか小さい方が控除されます。なお1年目の控除を受けるためには確定申告が必要となります。

(対象)10%の消費税がかかる住宅を購入またはリフォームし、2020年12月末までに入居をした人

▼「すまい給付金」の拡充

 「すまい給付金」とは条件を満たす住宅を購入した場合に現金が受け取れる制度です。この制度が増税に合わせて対象者を拡充、給付金額も増額されます。具体的には給付対象者の年収(目安)の上限が現在の510万円から775万円に、給付額の上限が30万円から50万円にアップ。給付金を受け取るためには事務局への申請が必要です。

(対象)10%の消費税がかかる住宅を購入し、2021年12月末までに引き渡しと入居をした人

▼「次世代住宅ポイント制度」の導入

 省エネ性や耐震性などの条件を満たす住宅の新築やリフォームに対し、商品と交換可能なポイントがもらえる制度もスタートします。もらえるポイントは新築の場合最大35万円相当、リフォームの場合最大30万円相当で、若者・子育て世帯などにはさらにポイントがアップする特例も設けられる予定。こちらもポイント受け取りのためには事務局への申請が必要です。

(対象)2020年3月末までに、10%の消費税がかかる新築住宅の購入やリフォーム契約の締結等をした人

▼住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税枠の拡大

 父母や祖父母などから住宅取得資金の贈与を受けた場合、贈与税の非課税枠が現在の最大1200万円から最大3000万円まで拡大されます。制度の適用を受けるためには確定申告が必要です。

(対象)2019年4月~2020年3月末に、10%の消費税がかかる住宅の購入やリフォーム契約の締結をした人

▼自動車に関する制度

 車を持つ人に毎年かかる「自動車税」が減税されます。具体的には増税後に購入した排気量が2500cc以下の車に対し、年間最大4500円が引き下げられる予定。排気量が小さい車ほど減税幅が大きくなるのが特徴です。自動車購入時にかかる「自動車取得税」も増税に合わせて廃止されますが、代わりに環境性能に応じて価格の0~3%を払う新税「環境性能割」が導入されます。「環境性能割」の税率は、増税後1年間は1%軽減される予定です。

【お金がかかる子育て世帯への支援は?】

 何かとお金がかかる子育て世帯への支援策も用意されています。小さいお子さんがいる世帯への支援が目立ちますが、本当にお金がかかるのは子どもがもっと大きくなってから。お金が浮いた場合は、可能な限り将来の教育資金として確保しておきたいものです。

▼「プレミアム付き商品券」の発行

 国の補助を受けて各自治体が「プレミアム付き商品券」を発行する予定です。対象は低所得世帯と2016年4月2日~2019年9月30日に生まれた子どもがいる世帯。商品券は1セット5000円分が4000円で販売され、1人当たり2万5000円分(購入価格は2万円)まで購入できます。商品券は原則10月から半年間、発行した自治体の小売店で使用が可能。対象世帯には9月ごろから順次引換券が送られる予定です。

▼幼児教育・保育の無償化

 10月から3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は低所得世帯を対象に認可保育所や認定こども園、幼稚園の利用料が無料になります。認可外保育施設やベビーシッターなどにかかるお金に関しても一定の上限を設けて費用が補助されます。

▼低所得の未婚のひとり親に対する臨時・特別給付金

 低所得(児童扶養手当の受給者、年収360万円以下)の未婚のひとり親に対し、年1万7500万円の臨時・特別給付金が支給されます。

 このほかにも低所得の高齢者を対象に、給付金の支給や介護保険料の負担軽減措置などが予定されています。

  ◇  ◇

 まだ知らなかった制度はありませんでしたか?自分に当てはまる制度はフル活用して、消費税増税を乗り切っていきましょう!(ファイナンシャルプランナー・田中瑛子)

※2019年4月1日時点の情報です

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