【解説】ブラジル戦は守備の徹底が絶対条件 トータルとして1次リーグ3試合をうまくこなした日本 福西崇史氏の分析

 「北中米W杯・1次リーグF組、日本代表1-1スウェーデン代表」(25日、ダラス)

 F組最終戦で、日本は後半11分に前田大然(セルティック)のゴールで先制したが追い付かれ、スウェーデンと1-1で引き分けた。勝ち点5の同組2位で決勝トーナメント進出を決めた。日本時間30日に行われる1回戦で、C組1位のブラジルと対戦。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

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 スウェーデンもどう来るかが分からなかった中で、前に3人を残してロングボールを蹴られる立ち上がりだった。そうなると、日本はボールをつないでいけなくなるから、試合の入りで堅くなってしまったのは仕方がない。後半に点が入り、相手も点を取り、特に終盤はスウェーデンのペースになる我慢の時間もあった。調整の仕方が微妙にずれる可能性もある中で結果を残す、という難しい試合をよくこなした。

 前田の先制点はコンビネーションの良さが出た。横からいつ縦に入れるかというところで、上田と堂安が並んで入ったシーンは、堂安がワンタッチで揺さぶりをかけにいった。上田もしっかり見た上で、キープしつつ相手を引きつけて堂安に出した。コースを空けたタイミングは、全員の意思が統一されていた。

 前田の武器はスピードで、守備で取ったところもそうだし、遅れて走っているのに、ボールを奪って持っていく場面もあった。正面にいる選手からすれば、あれだけの圧力で、スピードアップしてプレッシャーをかけられたら嫌なものだ。1点目にしても、あのように斜めに1回走られたら、もう追いつけない。スピードを生かした動きが脅威を与えていた。

 失点については、ただのシュートなら鈴木彩も反応できただろう。イサクが触りそうとか、だれかが当たりそうというところで反応が遅れることはある。全体的には鈴木彩は安定感や安心感があった。追いつかれた後、シュートを止めたシーンもそうだし、最後のコーナーキックは入れられてもおかしくない。手で反応できたのは素晴らしく、彼の貢献度は本当に大きい。

 途中出場した長友だが、ディフェンスから入る選手はかなり難しい。リスクもそうだし、試合の中で培ってきたコンビというか、試合には流れがあり、代わって入って合わせるのは難しい。彼は経験を積んできているし、いろいろと交代で組み合わせてきた場も踏んでいるし、うまく入っていた。

 1次リーグ3試合はトータルとして結果を残した。3試合全部に力を使うわけでもなく、大会全体を通して、3試合をうまくこなした。日本はだれが出場しても結果を残し、今日で言えば瀬古や渡辺が出て、谷口にしても板倉に代わっていきなり出場しなくてはいけなかったが、チーム全体として安定感を出していた。

 ブラジルは最高の相手だ。気をつけなくてはいけないのはビニシウスだろう。今回の予選を見ても、なかなか相手を崩しきれない時に、結局ビニシウスのドリブルで崩すことが多くあった。クニャの動きもそうだが、次のスペースを使うときの1対1の動きなど、個の力はやはりすごい。ただ、相手からすればそういう動きは分かってきている。昔のようにブラジルには勝てない、ということにはならないと思う。

 守備の徹底は絶対条件。前回大会のドイツ戦やスペイン戦、今回のオランダ戦もそうだが、ある程度ボールを持たれたときにどうするかは日本が得意にしている部分ではある。

 選手の試合後のコメントを聞いていても、次にどうするかを淡々と言っていた。慣れというか、先を見ていることにたくましさを感じる。サイドを崩して、センターバックを引き出して、ボールを合わせたり、揺さぶりをかけられたらいい。

 日本は中3日で疲労回復に務めること。準備といっても、この短期間で落とし込みはなかなかできない。試合へのイメージという点でもミーティングぐらいしかできないが、結局はパフォーマンスを出せる体作りが大切になる。

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