ボクシング元世界３階級制覇王者の亀田興毅氏（３８）がファウンダーを務める「ＳＡＩＫＯ×ＬＵＳＨ」が１９日、都内で記者会見を開き、キルギス共和国での興行として１０月２５日に「ｖｏｌ．２」、２６日に「ｖｏｌ．３」を２日間開催すると発表した。さらに、２５日の目玉カードとして“フィリピンの悪童”として知られる元世界３階級王者ジョンリエル・カシメロ（３６）＝フィリピン＝と、日本フェザー級７位の亀田京之介（２６）＝ＭＲ＝が５８・０キロ契約１０回戦で対戦することも電撃決定。会見に出席した両者は舌戦を繰り広げた。

　亀田興毅氏を挟んで並んだ両者から、唾しぶきが飛んだ。サングラス姿のカシメロは「お互い頑張りましょう」と低いトーンでスタートしたが、京之介は「（カシメロは）いい選手やと思うけど、ブランクもある。名前だけはあるが、（３６歳という）年も年やし、ここで一発かましたろかな」とふっかけた。

　カシメロは笑いながら「亀田が年だと言っているが、お前も頑張れよ。（倒れて寝る）枕の準備をした方がいい」と挑発。京之介は「（キルギスという）場所は関係なく、しばき回す、それだけ。逆に枕用意しとけよ。メガネ外してみい、自信ないんか？おい、ビビっとるんか」と追撃すれば、悪童は「ビビってない」と鼻で笑った。

　京之介は直近でルイス・ネリ（メキシコ）、アラン・ピカソ（メキシコ）と２連敗を喫しているが、カシメロは「京之介は簡単な相手だよ。ネリは（京之介を）倒すのが遅かった。俺だったら早く倒せる。ピカソ戦は（京之介と）お互いに弱い選手なのでＫＯシーンもなかった」と辛らつにぶった切った。

　これには京之介も頭にきた様子で「お前、それに負けたらカスやからな。１ラウンドから打ち合おうや」と声を荒げると、カシメロも「１ラウンド、３０秒で倒す」とヒートアップ。さらに京之介が「逆に終わらせたるから楽しみにしとけや。逃げ回るなよ。（目標は）１回ＫＯ決着」と言えば、カシメロから「いくら賭ける？」と挑発され、「ファイトマネーで。ほな、お前全部賭けろや。おい、やるか？ＯＫ」と、互いに早期ＫＯを賭け合うという急展開となった。ファイトマネーがいくらかという質問も出たが、亀田興毅氏は頭を抱え、「金額はなかなか…（笑）。でも発想はおもろいですよね」と苦笑いするしかなかった。

　カシメロは昨年１０月の試合で体重超過を犯し、約１年間ブランクが空いたが、ＳＡＩＫＯ×ＬＵＳＨと契約。今後もスーパーバンタム級で世界タイトルを狙うといい、「アンチは多いが、俺はフィリピンで１番のボクサーです」と自称したものの、京之介は「フィリピンで人気あるかしらんけど、ルールはルールやから体重は守れ」と正論で攻め立てた。

　亀田興毅氏はこのマッチメイクについて「お互い個性のあるボクサーなので、どんな試合になるか楽しみ。両者、どちらも勝てば次に大きな舞台が待っているのかなと、面白い試合になる」と期待を込めた。