長谷川穂積氏がトリプル世界戦を解説 井上拓真の勝利に「世界戦で一度KOで勝つと、KOで勝ち続けることができるようになるもの」

 「ボクシング・トリプルタイトルマッチ」(24日、両国国技館)

 WBC世界バンタム級タイトルマッチは同級1位の中谷潤人(26)=M・T=が24日、王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回TKO勝ちし、無敗で3階級制覇を達成。WBA世界バンタム級タイトルマッチは王者の井上拓真(28)=大橋=が、同級9位のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回KO勝ちし、初防衛に成功した。

 また、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で同級1位の田中恒成(28)=畑中=は、同2位のクリスチャン・バカセグア(メキシコ)に3-0で判定勝ちし、4階級制覇を果たした。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、それぞれの戦いを分析した。

  ◇  ◇

 中谷選手は見事なTKO勝ちだった。自分の距離で戦って、相手を少しずつ焦らせたことが最後の左ストレートのフィニッシュにつながった。元々強い選手だが、バンタム級に上げたことで、さらに強くなった印象だ。これからこの階級にもっとフィットしてくるだろう。今後のバンタム級の中心人物になる可能性は高いと思う。

 井上拓真選手も良かった。アンカハスはピークを過ぎた選手とはいえ、実績のある強い相手。しかも途中から接近戦に切り替えてきたところで、しっかり冷静に対応して、自分を信じて最後までボディーを打ち続けた。これだけの強い相手に、この勝ち方ができたことは大きい。自分自身も経験したことだが、世界戦で一度KOで勝つと、これからKOで勝ち続けることができるようになるもの。きょうのKO勝ちで、拓真選手も大きな自信をつけたはず。いい流れがきたら、相手は勝手に倒れてくれるようになる。不用意なパンチをもらうなど、まだ課題はあったが、今後が楽しみになるいい内容の防衛戦だった。

 田中選手は判定勝ちに終わったが、まずは勝って4階級制覇をすることが大事。前回の世界戦からの3年間は長かったと思うが、勝ったことで価値のある時間になった。上体を柔らかく使うなど、今までなかった進歩した部分もあり新しい姿を見せてくれた。今後の技術的、精神的な向上に期待したい。

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