井上拓真が初防衛 兄・尚弥の前でメイン大役KO締め「変わったことを見せられた」

 「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、両国国技館)

 WBA世界バンタム級タイトルマッチは王者の井上拓真(28)=大橋=が同級9位のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回KO勝ちし、初防衛に成功した。

 生まれ変わったシン・拓真が、世界戦初のメインという大役を、見事にKO防衛で果たした。

 踏み込んでのボディーを軸に攻め込んでくる「過去イチの強敵」アンカハスとの消耗戦を終わらせたのは9回開始早々。左ボディーから右ボディー、左フック、右ボディーとたたみかけ、最後は右ボディーでみぞおちをえぐられた相手がへたり込んでテンカウント。コーナー上で歓喜する拓真を、兄の4団体統一スーパーバンタム級世界王者・尚弥、父の真吾トレーナーが抱きしめる。

 マットを殴りつけて感情を爆発させ続けた拓真を尚弥がもう一度、笑顔で抱擁した。

 試合前「今までにない自分を、攻撃的な部分も含めてしっかり出していければ」と話していた。ここまでの18勝中、KO勝利は4回。「ここまで判定で、いい試合を見せられず、お客さんを退屈させた」と感じていた。

 この日のKO勝ちで「変わったことを見せられたと思って、こういう結果を見せられて最高です。強豪相手に接近戦で打ち勝って、本当に自信になりました」と、今の自分に確信を持てた。尚弥、真吾氏にも「今日は本当にありがとう、と言いたい」と伝えた。

 既にバンタム級4団体統一の野望を掲げている。「(バンタム級は)日本で盛り上がっていますけど、そこの頂点に井上拓真ありというところを見せたい」と、自信に満ちた言葉を聞かせた。

 ◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川県座間市出身。アマチュア戦績57戦52勝(14KO)5敗。2013年12月にプロデビュー。15年に東洋太平洋スーパーフライ級王座、18年にWBC暫定世界バンタム級王座、21年にWBOアジアパシフィック王座、22年に日本スーパーバンタム級王座、23年にWBA世界バンタム級王座を獲得。身長164センチ、リーチ163センチ。右ボクサーファイター。

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