寺地拳四朗 最後の2ラウンドの判断は?長谷川穂積氏が評論「批判する意見もあるかもしれないが負けたら終わりの世界」

 12回、カルロス・カニサレス(右)にパンチを決める寺地拳四朗(撮影・山口登)
 10回、寺地拳四朗はカルロス・カニサレと激しく打ち合う(撮影・山口登)
 試合に勝利し、関係者と抱擁を交わす寺地拳四朗(撮影・中田匡峻)
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 WBA、WBC世界ライトフライ級統一王者の寺地拳四朗(32)=BMB=が23日、WBA同級1位のカルロス・カニサレス(30)=ベネズエラ)=に2-0で判定勝ちし、2団体の王座防衛に成功。WBA世界フライ級1位で世界初挑戦のユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=は、22戦無敗だった王者のアルテム・ダラキアン(36)=ウクライナ=に3-0で判定勝ちし、新王者となった。

 セミファイナルでは元キックボクサー・那須川天心(25)=帝拳=がWBAバンタム級14位のルイス・ロブレス(25)=メキシコ=との8回戦にTKO勝ちし、ボクシング転向後3連勝とした。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、それぞれの戦いを分析した。

 ◇  ◇

 拳四朗選手は過去最大のしんどい試合になったが、最後まで心が折れずに戦うことができた。特に11、12回の最後の2ラウンドを足を使って戦ったことが、判定勝ちにつながった。この戦法を批判する意見もあるかもしれないが、プロボクシングは負けたら終わりの世界。我慢比べを制した王者の意地とプライド、そして最後に戦い方を変えることができる技術、ハートの強さを改めて知ることができた。

 ただ、倒すことに意識が行き過ぎて、かなりパンチをもらった。拳四朗選手は判定でも勝つことができるし、これで連続KO勝ちの呪縛から解放されたと思うので、また大きい目標に向かっていってほしい。

 ユーリ阿久井選手も素晴らしかった。フライ級国内最強イコール世界最強であることを証明。やはり日本のボクシングはレベルが高いと認識させてくれた。本当に基本である左ジャブ、ワンツー、フックというスタイルを貫き通した。変則的な相手にこれを貫き通せるところが彼の強さだ。それにユーリ選手は華のあるボクサー。これからどんどん注目を浴びてもらいたい。

 那須川天心選手は重心が低くなって、よりボクシングスタイルにフィットさせてきたと感じた。何といってもボクサーは試合で見せるパフォーマンスが大事。無駄な動きもなくなってきた。相手が負傷棄権して、もうちょっと見たかったが、内容自体は十分に合格点を与えられる。このまま成長していけば、楽しみになってくる。

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