井岡一翔「超気持ちいい~」3年ぶりKO締め 初防衛!日本選手単独最多世界戦22勝目 熱望エストラダ戦「実現させたい」

 5回、ペレス(左)に右フックを見舞う井岡一翔(撮影・伊藤笙子)
 7回、ペレスをKOする井岡一翔(撮影・金田祐二)
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 「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)

 王者の井岡一翔(34)=志成=が、挑戦者で同級6位のホスベル・ペレス(ベネズエラ)に7回2分44秒KO勝ちし、初防衛を果たした。世界戦22勝目を挙げ、スーパーバンタム級で世界4団体王座統一を果たした井上尚弥(大橋)を引き離して、日本選手単独最多となった。

 年の瀬の恒例行事に井岡が躍動した。6年連続12度目の大みそかマッチで7回KO勝利。20年以来6試合ぶりに倒しきり初防衛に成功した王者は、観客席へ右拳を突き上げた。「久しぶりのKO勝利を皆さんにお見せできて超気持ちいい~」と絶叫。「最後まで戦う闘志をお見せしたかった。やり抜くことができた」と胸を張った。

 6歳下の世界ランカーとの激しい打ち合いも、相手を上回る動きを見せた。陣営と「今日倒します」と言い出陣。序盤から左ボディーで弱らせ、5回に2度ダウンを奪う。7回には右カウンターの一撃で沈めた。

 大みそか戦を希望するファンのために、と出場を決めた。対戦を熱望するWBC王者エストラダ(メキシコ)との交渉が合意せず「家族とゆっくり過ごすことも頭によぎった」と消滅しかけたが、SNSなどで大みそかの試合が見たいという要望を受けた。「これからも愛する人たちのため、日本の未来のために戦っていきます」。自身の活躍で来年も勇気づけると誓った。

 世界戦22勝目。再び単独1位に返り咲くも「記録は意識していない」と言う。今回は交渉がまとまらなかったが、エストラダのトレーナーも務めるカバジェロ氏はエストラダも井岡との対戦を希望しているという。「実現させたい思いもある」という井岡は前を向いた。

 ◆ペレス「井岡は右のパンチがすごく強く感じた。的確に入る右がすごかった。自分のパンチも届いていたが、井岡の方がパワーがあった」

 ◆内山高志氏(元世界スーパーフェザー級王者)「井岡にしては珍しく序盤から打ち合い、倒してやるという気持ちが表れていた。相手も強かったが、最後は技術の差が出た」

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年3月24日、大阪府堺市出身。興国高で高校6冠。東農大を中退後、09年4月にプロデビュー。11年2月にWBC世界ミニマム級王座に就き、12年12月にライトフライ級、15年4月にフライ級の世界王者に。19年6月に世界スーパーフライ級王座決定戦でアストン・パリクテを破り日本人男子初の4階級制覇を達成。23年6月のジョシュア・フランコ戦で判定勝利しWBA世界スーパーフライ級王座を獲得。右ボクサーファイター。家族は夫人と2男。

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