【長谷川穂積の拳心論】井岡一翔は完勝だが印象は苦戦、統一戦へいいコンディションを

 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)

 王者の井岡一翔(32)=志成=が、3-0の判定で同級6位・福永亮次(35)=角海老宝石=を下し、4度目の防衛に成功した。IBF同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との王座統一戦実現を2022年の目標に掲げた王者。その戦いぶりを元世界3階級制覇王者の長谷川穂積氏(41)が分析した。

  ◇  ◇

 結果は完勝だが、僕の印象は苦戦だった。それは、これまでの井岡選手ならもっと圧勝していたと思えるからだ。相手が変わるなどの条件の悪さはあったが、彼本来の動きには見えなかった。

 左ボディー、左フックなどのいいパンチも当てていた福永選手に対して、ガードを固めてジャブ、ノーモーションの右、左アッパー、コンビネーションからのボディーと多彩な攻撃でペースを握った。これは百戦錬磨の経験によるだろう。15勝14KOの相手の強打を警戒して10回から防御重視のカウンターで確実にポイントをとった。サウスポーを相手に右ガードを全く下げず常にあごを引くことを意識している姿はボクサーのお手本だった。

 しかし、左回りしかできずリズムがワンパターンになる福永選手は、癖を探しやすく、パターンが読めて怖さも少ない。それでも、前戦に続いて王者の全体的なコンディションがあまりいいように見えなかったのは、年齢なのかモチベーションなのか。アンカハスとの統一戦へ向けてよいコンディションをつくれるように期待したい。(元世界3階級制覇王者)

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