「ボクシング・ＷＢＡ世界バンタム級タイトルマッチ」（２５日、大田区総合体育館）

　ダブル世界戦のメインイベントで、元世界２階級王者で同級２位の井上尚弥（２５）＝大橋＝が、王者のジェイミー・マクドネル（３２）＝英国＝に初回１分５２秒ＴＫＯで圧勝し、３階級制覇を達成した。マクドネルは６度目の防衛に失敗した。フジテレビによるテレビ中継にはボクシング通として知られる俳優の香川照之がゲスト出演していたが、興奮する中にも冷静に井上のある仕草を見つめていた。

　試合前から身長が井上よりも約１０センチ高い王者と対峙することを受けて「どのような距離感になるか注目ですね」とコメントしていた。井上の圧勝を見届けると、「今日の井上選手は全部前に潰していく強さがあった」と絶賛した。

　そして、１度目にダウンを奪った時に「ダウン取った後、冷静にライトの上にあるモニタを見て、残りの秒数見てたでしょ。凄いなこの人と思って」と１回で決着させようとする井上の仕草に注目していたと明かした。実際、マクドネルが立ち上がり、試合が再開される直前に一瞬、視線を相手から外している井上は「はい」と笑顔で認めた。

　井上が「ＷＢＳＳ（ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ）」という各団体の王者がトーナメント形式で対戦し最強を争う大会への参戦を正式に表明したことに「井上選手が優勝するようなことになると、日本ボクシング史上初めての大偉業ということになるので本当に達成してほしいです」とエールを送り、井上も「結果を残すだけなので頑張りたい」と力を込めた。