「ＲＩＺＩＮ」（３１日、さいたまスーパーアリーナ）

　スペシャルマッチが行われ、ＲＩＺＩＮデビュー後３連続ＫＯ勝ち中の矢地祐介（２７）＝ＫＲＡＺＹ　ＢＥＥ＝が、かつてＰＲＩＤＥのエースとして活躍した“天下無双の火の玉ボーイ”五味隆典（３９）＝東林間ラスカルジム＝から１ラウンドに三角締めでタップを奪い、一本勝ちした。

　ゴングから一気に飛びかかった矢地が、序盤から膝のラッシュで主導権を奪った。しかし、１１年ぶりに大みそかに日本のリングに立った“レジェンド”五味も反撃。押し返し、矢地の上に乗りかかると、右拳をたたき込み、ＫＯ寸前まで追い詰めた。

　しかし、矢地が上手く体勢をコントロールし、最後は三角締めでタップを奪った。

　格闘技を始めるきっかけとなった“伝説”を乗り越えた矢地は「どうも矢地くんです。いや～思ったよりもらっちゃってフワフワしてるんですけど」と、いつもの明るいトーンで切り出したが、「小さい頃からの憧れ、ガキの頃からのスーパースター。一緒に戦って、健闘を称えてもらって、本当に泣いちゃいそうです。俺にとってはいつまでも憧れ、全然越えられたと思ってない。これからも背中を追って、越えられるようにしたい」に、真面目なトーンで語った。最後はかつて五味が言った「やっぱ大みそか、判定ダメだよ。ＫＯじゃなきゃ」を引用し、「やっぱ大みそか、判定ダメだよ。一本じゃなきゃ」と、きっぱり。これには五味も笑顔を浮かべた。

　敗れた五味は「矢地くんだから、いい試合ができた。悔しいですね。もうちょっとだと思ったんですけど」と、苦笑い。この試合での引退の可能性も示唆していたが、会場のファンからの声に応え「来年もやります！」と、明言。最後は日本の総合格闘技のエースとなりうる存在となりつつある矢地に「これから日本の格闘技を引っ張っていって。ＵＦＣとかに負けないように」と、エールを送った。