重なった偶然は、ひょっとすると必然だったのかもしれない。

 2022年オフ、阪神・大竹耕太郎投手はヤクルト・石川雅規投手とテーブルを囲んでいた。その日はくしくも現役ドラフト当日。阪神への移籍が決まった当日だった。

偉大な背中を追い続け

 食事をともにしたのはその一度だけ。それでも、偉大な背中を追い続けながらプロで生き抜くすべを教わってきた。石川は今季限りでの現役引退を発表。「僕から連絡しようかなと思っていたら、向こうから連絡をいただいた」と恐縮しながら感謝の言葉を並べていた。

 大竹の師匠は元ソフトバンク・和田毅氏だが、石川雅規も投手としての指針にしてきた。「本人とお話しする中で、バッターの考えごとを増やす、増やしたいというのはすごく言われていた」。打者は基本的に球種とコースを予測して狙いを定めてくる。ただ、投げる側はそれだけでは足りない。