頂点を極めた男が、満身創痍で再び土俵に立つ。先場所、左足親指を痛めながら三つどもえの優勝決定戦を制し、史上最短タイの1場所で大関へ返り咲いた安青錦。新大関優勝、けがによる関脇転落、そして復活優勝――激動の1年を乗り越えた22歳は、傷ついた左足を抱えながらも歩みを止めない。ウクライナから来日して3年。次に見据えるのは、欧州出身初の横綱という未踏の頂だ。

 劇的な優勝の代償は大きかった。1場所での大関復帰に3度目の優勝で花を添えた安青錦は、左足首や左足親指のけがの影響が色濃く残る。それでも「特別な思いはない。上を目指す気持ちは変わっていない」と一気に最高位を狙う構えだ。

稽古総見で胸を出す安青錦=4日、両国国技館
稽古総見で胸を出す安青錦=4日、両国国技館