勝った。けれど、喜びに浸ることはできなかった。かつて世界の頂点に立った平均台で、もう一度輝きを取り戻した渡部葉月。左膝の大けがに苦しみ、パリ五輪への道を断たれた日々は、決して消えない。それでも、遠回りの時間があったからこそ見えたものもある。元世界女王は今、4年後のロサンゼルスを見据えている。