紗栄子と紀香と“不謹慎狩り”

 いまも余震が続く熊本の震災に芸能人らが寄付をしたり、次々と支援表明をしている。だがその一方でブログなどで震災支援の意思を表明すると、第三者が否定的な書き込みをする「不謹慎狩り」も行われている。善意でのコメントに対し、揚げ足を取るかのような行動に、ハイヒール・リンゴが苦言を呈した。

  ◇  ◇

 紗栄子さんが寄付の領収書をアップしたことが叩かれてる。日本人の元々の性質として、奥ゆかしいのが善というか、よしとされている。だから募金とかしても秘して語らずとかいうのがいいんやろうけど、紗栄子さんは公言した。自身が募金を公言することによって、そういう協力の仕方があるよと伝えたかった。日本人て募金とかボランティアとかの意識が遅れてる部分があるので、問題提起したかったようなことをインスタグラムに書いてましたよね(※1)。彼女は叩かれることもわかった上で、募金の領収書の写真をわざわざアップした。

 たぶん紗栄子さんが「募金しようよ」と呼びかけたら、「お前がしろ」と言われる。「私は募金したよ」と返したら、「証拠見せろよ」と言われるんだと思う。だったら、初めから募金した証拠見せてバーンとやった方がわかりよい。元旦那さんがお金持ちで、自分も仕事をしててお金があったから500万も募金した。彼女のことをいろいろ言う人は、500万もポーンと出してないでしょ。もちろんしてる人もいるとは思うけど。そのうえで、そこに1000円ずつ、子供たちも寄付しましたっていうところに、彼女の家族の愛が見えてきたように思いました。

 藤原紀香さんの「火の国の神様」も、私は上手に言ったなと感じた。だけどネット上では“自分に酔ってる”と書かれてる。なんでそんなこと言うんやろかと思う。紗栄子さんと紀香さん、あの2人はネットでは叩かれてるらしいですね。なぜかというと、彼女たちが幸せだからじゃないかなあ。不幸な人は応援されるけど、幸せな人を見ると、何かちょっとした粗を見つけて叩いてしまう。

 2人だけじゃなくて、熊本の震災では、いろんな芸能人が叩かれた。不謹慎狩りっていうの?あれがわからない。ちょっと冷静になろうよと。私ごときが言うのはなんやけど。日本人ってこんな民族でした?と思う。出たものを袋叩きにするでしょ。叩かれたら不愉快やから、芸能人もコメントを自粛する。「お前が言うな」とか、「お前に何がわかるんや」とか言われるの嫌やから、いや地震のコメントは言いませんとなって…それが一番あかんことやと思う。

 その一連の中で、堀江貴文さんの言ってることもわかりますよ。肩を持つつもりはないけど、麻雀番組はインターネット放送で、地上波やないから。一生懸命番組作ったスタッフのこと考えたら、地上波のようにタダで見えるもんじゃなく、見たいと思う人が見る番組だからと。そのことで渡辺えりさんが泣きながら反論してはったみたいですが、地上波の番組じゃないと知らなかったんじゃないかな。全容も知らずに発言するのはどうかとも思うけど。でもその勘違いしてるのを「アホが多いので仕方ない」という言い方をすると…もうね(※2)。若干みんな思いやりに欠けてるんじゃないかな。

 ※1 紗栄子は批判に対し、インスタグラムで「一人でも多くの人が寄付について改めて考えてくださり行動に移してくれたらとの思いで、批判も覚悟の上、実名での振り込み明細を掲載しました」とコメント。

 ※2 堀江氏は16日に出演予定だったインターネットテレビ番組が放送延期になったことに「熊本の地震への支援は粛々とすべきだが、バラエティ番組の放送延期は全く関係無い馬鹿げた行為」と発言。女優の渡辺えりの「避難所の人たちは番組を選べない」との反論コメントを受け、「アホが多いので仕方ない」などとつぶやいた。

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