【にしたん社長の人生相談 西村誠司氏のお悩み相談】禁酒決断も煩わしい「飲まない奴は本音で話せない」
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 30代の営業職です。健康のため禁酒中です。酒の席での失敗もありましたので。得意先の年長者に説教みたいなことを言ってしまったんです。そんなこともあったので接待や会食で酒を断ろうとしているのですが、これがけっこう煩わしくて疲弊しています。「飲まない奴は本音で話せない」という人がいまだにいて、そんな付き合いでも仕事とあれば優先したくなります。というのは我慢によるストレスが精神面での健康を害しているような気もするからです。周囲との関係を壊さず、自分を納得させて健康管理を継続する方法というか考え方があれば知りたいです。西村さんは若い頃、酒席で失敗したことはありますか?社員が飲み過ぎて失敗しているときどのように対処していらっしゃいますか?そんな社員はいないですかね。
【回答】 お酒をやめる、あるいは距離を取るという判断は、思っている以上に勇気が要るものです。特に営業職で、しかも取引先が年長者となれば、「断ること」自体が仕事の障害になるのではないか、と不安になるのも無理はありません。
まずはっきりお伝えしたいのは、禁酒という選択は弱さではなく自己管理ができている証拠だということです。過去に酒席での失敗があり、それを正面から受け止めて行動を変えた。これは多くの人ができそうでできないことです。私はその判断を、とても健全だと思います。
「飲まない奴は本音で話せない」という言葉が、いまだに残っているのも事実でしょう。ただ、それは相手の価値観であって、あなたの仕事の価値を決めるものではありません。そもそも、本音や信頼関係はアルコールで生まれるものではなく、積み重ねた対応や結果で築かれるものです。酒を飲まないと成立しない関係であれば、長い目で見たときに健全とは言えません。
周囲との関係を壊さずに健康管理を続けるための考え方として、私は「理由を説明しすぎない」ことを勧めています。「体調管理のために今日は控えています」「医師から止められていて」と、淡々と伝える。それ以上の説明や正当化は不要です。誠実に仕事をしていれば、最初は違和感を持たれても、やがてそれが“あなたのスタイル”として受け入れられていきます。
また、「飲まない=付き合わない」ではありません。場には顔を出す、会話はする、相手の話をよく聞く。その姿勢があれば、酒量の問題は本質ではなくなります。むしろ、しらふで相手の話を正確に覚えている人のほうが、後々信頼されることも多い。
ご質問のあった私自身の経験について正直に言えば、若い頃、酒席で失敗したことはあります。言わなくていいことを言ったり、余計な約束をしてしまったり。だからこそ、私は「酒が人を本音にする」とは思っていません。酒は、その人の未整理な感情を外に出すだけです。
社員が飲み過ぎて失敗したときは、頭ごなしに叱ることはしません。まずは事実を整理し、「なぜそうなったのか」「次に同じ状況になったらどうするか」を一緒に考えます。そして必要であれば、無理に酒席に出なくていい環境を整えます。今は、飲まない社員も珍しくありませんし、それで評価が下がることもありません。
大切なのは、「仕事のために自分を壊さない」という線を自分の中に引くことです。健康を犠牲にして成り立つ成果は、長続きしません。あなたが感じているストレスは、体が出している正直なサインです。
どうか自分の判断を疑いすぎないでください。あなたは逃げているのではなく、長く働くための選択をしている。その姿勢は、いずれ周囲にも伝わります。仕事も健康も、どちらかを犠牲にしない生き方は十分に可能です。
◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。




