【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】日経平均の上がり方を見ると株に全振りしようかと迷う

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。今回のテーマは「株」です。

 【相談】会社で確定拠出年金をずいぶん前からやっています。いま、50代後半です。30代の頃はすべて株の投資信託にしていたのですが、年をとるとリスクを避けるべきというアドバイスもあり、8割を定期預金、残りを株式投資信託にしています。ですが、最近の日経平均の上がり方を見ていると全部株にしようかと迷います。分散がいいとは言うものの、リスクを取るべき時は取るべきかと思ったりします。西村さんは日本株の将来をどのようにお考えでしょう。日経平均は年内だとどのような動きになると思われますか?インフレ局面では株は上昇すると言いますが。もちろん自己責任で判断します。

 【回答】 ご相談ありがとうございます。確定拠出年金の運用配分をどうするかは年齢や資産状況、そして何より「どの程度リスクを受け入れられるか」によって答えが変わる難しいテーマです。50代後半というお立場で「守りを意識しつつ、株の上昇も気になる」というのは自然な感覚だと思います。

 最近の日経平均は大きく上昇し歴史的な高値圏にあります。半導体や輸出関連の好調、企業の収益改善、株主還元の強化などが追い風になっています。さらに海外から日本株への注目も高まっており、資金流入が続いているのも事実です。加えて、インフレ傾向のなかでは株式市場が相対的に有利に働く場面が多く、こうした動きを見ると「すべて株に振りたい」と思う気持ちが強くなるのも理解できます。

 しかし同時に、株式は常に大きな値動きを伴います。為替変動や国際情勢、金利動向次第で急な調整が入ることも避けられません。ですから、年内の動きを見ても上昇基調は続く可能性がある一方で、波を打ちながら進むというのが現実的な見立てだと考えます。短期的に大きな変動があっても、それを受け止められる資産配分にしておくことが大切です。

 私自身の考え方としては、「全部株にする」よりも「少しずつ株の割合を増やす」形が現実的で健全だと思います。株の可能性を取り込みつつも、定期預金や債券のような安定資産をある程度残しておく。こうして分散を維持することは、結果的に「資産を守りながら増やす」ことにつながります。どんなに日経平均が強い時期でも全額を一方向に賭けるのはリスクが高すぎます。

 最終的には「自分がどの程度の下落に耐えられるか」を基準にするのが一番です。仮に株が20%下がったときに夜眠れなくなるのであれば比率を上げすぎるべきではありません。逆にある程度の変動を覚悟できるなら、株式比率を段階的に引き上げていくのも一つの選択肢です。

 まとめると、年内の日経平均は堅調さを維持しつつも上下動があるだろうと見ています。そのうえで資産運用は「一括で大胆に変える」のではなく、「段階的に増やす」「分散を残す」ことが賢明です。インフレ時代こそお金を眠らせず、しかし守りも忘れない。このバランスを意識しながら運用を考えていただければと思います。

 ◇西村 誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。

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