【尾原徹司医師】在宅ワーク、臨時休校で起こりがちな「画面の見過ぎ」 みなさん「VDT症候群」にご注意を

 新型コロナウイルスの感染拡大は止まりそうにありません。そして、ついに東京都、大阪府、兵庫県など7都府県を対象に「緊急事態宣言」が出されました。これまで以上に、家にいる機会が増えてくると思います。テレワークのため家にいてパソコンで仕事をしている人、臨時休校が続いている学生さんなど不急不要の外出を控え、家にいる時間が増えた皆さんに気をつけていただきたい病気があります。それは「VDT(ブイ・ディ・ティ)症候群」です。

 VDTは「Visual Display Terminal」の略で、コンピューターなどのディプレイと端末のことです。「IT 眼症(がんしょう)」とか「テクノストレス眼症」とも呼ばれています。パソコンなどのディスプレイを使った作業が原因で、目をはじめ心身に影響が出る疾患です。

 長時間、コンピュータやテレビゲーム、携帯電話などの画面を見ていると、目に疲れが出たり、肩や首、腕が凝ったりしてきます。人によっては、心的にイライラしてきたり、不安な気持ちになったり..。そんな症状に悩まされているあなたは、もしかして「VDT症候群」かもしれないのです。

 症状がひどくなれば、涙の量が少なくなり眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じやすくなる「ドライアイ」や「心身症」などの病気を引き起こすことにもなりかねないので、画面を見る際は注意が必要なのです。

■コロナ同様に、予防と対策はしっかりと!

 長時間、画面を見ていると、目の疲れなど、さまざまな症状が出てきます。大切なのは、例えば、テレビゲームが面白いからといって熱中しすぎないことです。

(1) 画面と距離を保つ 画面を見る時は 50-80センチほど話しましょう。

(2)適度に休憩を 画面を見る時間を決め、1時間を超えるようならば、1時間ごとに10分-15分の休憩をこまめに取りましょう。遠くの景色を眺めたり、眼を閉じて休ませたりするといいでしょう。濡れたタオルなどを目に当てると血行がよくなります。

(3)画面の位置も考える 画面の上端が目の高さと同じか、やや下になる高さ。視線がやや下向きになる角度がいいといわれています。向きを調整してグレア(映り込み)を防止しましょう。

(4)室内の明るさ 新聞の文字が無理なく読める程度を目安にするといいですね。また、著しい明暗の対照がなく、まぶしさを生じさせないようにしましょう。太陽光が直接、入る場合はブラインドやカーテンで調整してください。

(5)軽い運動もしよう パソコンなどに向かっていると長時間同じ姿勢になりやすいので、適度に体を動かしたり、軽い運動をしたりして、コリをほぐすようにしたいものです。

(6)栄養バランスを大切に 食事はかたよらないで、バランスよく食べてください。目にいいビタミンAなどを多く含む食材もおすすめです。 ディスプレイ画面などを見ていて、疲れたなと思えば、すぐに休息してください。何事も無理は禁物です。また、眼精疲労などがひどいときは、早めに診察を受けてください。

◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。

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