【松本浩彦医師】素晴らしい納豆の底力 食わず嫌いは損ですよ

 関西では「嫌い」と言う方が結構おられますが、納豆というのは日本が世界に誇る健康食品です。納豆はすべての食品のなかで唯一、血栓を溶かす力を持っており、脳梗塞や心筋梗塞に対する高い予防効果があります。

 これはナットウキナーゼという酵素の働きで、血液の塊である血栓を分解する効果、つまり血液サラサラ効果です。日常的に納豆を食べる人はそうでない人に比べて、脳卒中で亡くなる割合が3割低くなるという事実が明らかになりました。脳梗塞や心筋梗塞は、血栓が血管に詰まることによって発症しますが、ナットウキナーゼは一度できてしまった血栓を溶かす強力な作用で、これらの予防につながっています。

 納豆の健康効果はこれだけではありません。腸内環境の改善、殺菌作用、骨を強くする、がん予防や血糖値を低くする作用もあるとされています。

 ここで一つご注意。アツアツのご飯に納豆をかけて食べるのは間違いです。ナットウキナーゼは70度で機能しなくなります。熱いご飯と一緒だと、せっかくの効果が発揮されません。

 余談になりますが第二次大戦中、日本の戦闘機「ゼロ戦」は優れた性能を誇っており、1万メートル上空まで急上昇する性能は世界一でしたが、高速で急上昇するあまり、パイロットの腸内ガスが膨張し、激しい腹痛、時には腸管破裂を起こして墜落、ということもありました。そこで注目されたのが納豆です。納豆こそ整腸作用、オナラ防止食品だったのです。それ以来、帝国海軍ではゼロ戦パイロットに毎食、納豆を食べさせたとか。

 日本には、こんな素晴らしい健康食品があるのです。食わず嫌いなだけかもしれませんので、嫌いと言う、あなたも再トライしてみてはいかが?

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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