【野球】楽天 ホームランゾーンの恵みと嘆き 16試合で27本は昨年の1・6倍 本塁打の出やすさパ本拠地3位

 楽天は今季から本拠地・楽天モバイル最強パークの外野フェンスに「ホームランゾーン」を新設した。右中間、左中間のフェンスが最大6メートル手前に設置。従来より本塁打が出やすくするのが狙いだった。今季はゴールデンウイーク終了までに同球場で16試合を消化。本塁打数とホームランゾーンがもたらした象徴的な戦いを例に検証した。

  ◇  ◇

 象徴的なシーンは4月18日のロッテ戦だった。浅村は打った瞬間に“しまった”とばかりに首をひねった。左翼に飛んだ飛球は、それでも左中間のホームランゾーンに飛び込む1号2ランとなった。

 「詰まったし、今までの感覚があるんで、入らんと思っていた」と感触を振り返る。ホームランゾーンの存在に「こういう意味でしょ?だって。だから良かったですね」。入らないと思った打球が本塁打になる。まさにホームランゾーンが生み出した一発だった。

 今季はゴールデンウイーク終了の5月6日まで、楽天モバイル最強パークで16試合を開催した。本塁打数は計27本。昨季の同時期の本塁打数は15試合で17本だったから、10本、約1・6倍増えた計算になる。27本中、ホームランゾーンに入ったものは12本。昨季と同じ広さだったら、今季の本塁打数は15本だったことになる。

 今季の同時期でパ・リーグの本拠地での本塁打数は、みずほペイペイドーム30本(14試合)、エスコンフィールド43本(17試合)、京セラドーム10本(17試合)、ベルーナドーム18本(17試合)、ZOZOマリン23本(16試合)だった。各球団の長距離打者の人数による差異は出るだろうが、昨季までの規模ならリーグ5位、今季は3番目に本塁打が出やすい球場となっている。

 ちなみにここまでの27本塁打中、楽天の選手が放った本塁打は15本。うち、半数近くの7本がホームランゾーンに飛び込んだもの。一方、ビジターチームは計12本で、ホームランゾーンへの本塁打は5本と現段階で地の利を生かしている。

 その恩恵を受けた試合もあった。

 4日の日本ハム戦は1点を追う八回、平良が左翼ホームランゾーンへ同点ソロ。さらに辰己の左翼スタンドに運ぶ決勝弾で逆転勝ちした。5日の同戦でも、五回に平良のソロで1点差に迫り、七回に浅村の逆転2ランが飛び出した。2本ともホームランゾーンに入ったものだった。2試合とも、ホームランゾーンがなければ、敗れていたかもしれない試合だった。

 一方で、本塁打の出やすいスタジアムは投手にとっては受難にもなる。

 0-1で敗れた4月8日の日本ハム戦。先発・古謝は四回にカストロに決勝点となるソロ本塁打を浴びた。その一打は左翼・中島がフェンス際でジャンプしたその先を越えてホームランゾーンに達したもの。昨年までなら左飛だった。古謝が許した安打はその1本のみ。援護点はなかったとはいえ、昨季までならノーヒットノーランを達成していたかもしれない快投だった。

 4月18日。浅村はヒーローインタビューで「ホームランゾーン、ありがとう」と声を上げた。ホームランゾーンがもたらした、一発逆転の可能性を秘めた最後まで目の離せない戦い。見る者にとって格別な本塁打の魅力が詰まった球場として生まれ変わっている。

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