【スポーツ】師匠の父は学生横綱で三役、母は女子相撲3度の日本一 両親から相撲DNA受け継ぐ垣添玄空「花火のような力士になりたい」

 大相撲に新たな2世力士が誕生する。初土俵を目指して夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査を、雷親方(47)=元小結垣添=の長男、垣添玄空(はるく、18)が受検する。おかみさんの母、栄美さん(44)は3度の女子相撲日本一を誇る。2世力士は珍しくないが、両親から相撲DNAを受け継ぐのは珍しい。

 異色の入門会見だった。師匠の雷親方と並び、栄美さんの存在感が際立っていた。180センチ、115キロの玄空は「気合を入れて、全力を出し切りたい。花火のような力士になりたい」と誓った。

 中学卒業まで運動経験は皆無。中学3年の秋、国体を視察した雷親方に同行した際、埼玉栄・山田道紀監督に声をかけられ、入学後に相撲を始めた。経験者がそろう強豪だが、高校2年で大会出場をかけた部内戦を制して自信が芽生えた。入学時から体重は約40キロ増。昨年の高校総体で団体戦3位に貢献するなど成長した。

 中学までは最大で1日16時間プレーしていたというゲーマー。初心者で入部した強豪でレギュラーになった。「体重100キロだった高2で、50メートル走6秒3だった」と、潜在的な才能はあったのだろう。

 雷親方は日体大で学生横綱に輝き、入門後は小結まで昇進。晩年は故障に苦しみ、幕下22枚目で7戦全敗の2012年春場所限りで引退。玄空は幼い頃にケガに苦しむ父の姿や「厳しいぶつかり稽古を見て無理だと思った」と土俵に拒否反応を示していたが、強豪で一気に開花した。

 栄美さんは高校時代に1度、日大で2度日本一を経験。世界選手権で団体優勝に貢献した。「中3の時の玄空と10回相撲を取れば7回は勝っていた」と元気にあふれ、23年2月に雷親方が入間川部屋を継承し、おかみさんとなってから相撲熱が一層高まった。押し相撲の親方に対して、四つ相撲だっただけに「玄空に出し投げを教えた」とコーチ役も担う。

 栄美さんを「ママ」と慕う部屋頭の幕内獅司は「取組の作戦はママが考える。自分の相撲はママの相撲」と語る。玄空の入門に「ブラザーが入ってうれしい」と、“弟”の存在に大歓迎だ。

 元大関貴ノ花と元横綱若乃花と貴乃花、元関脇琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)と大関琴桜、父が元幕下だった若隆景らのケースを含めれば父子力士は珍しくない。それでも、両親が元競技者で実力者なのは珍しい。

 競技歴3年。蹴手繰り(けたぐり)など何でもありの玄空の相撲を「訳が分からない」と評する雷親方だが、「すぐ逃げ帰ってくると思っていたら、頑張り抜いてプロに入りたいと言ってきた。本気だと思う」と認めている。玄空は「師匠、母からもアドバイスをもらえて環境に恵まれている。本当に自分次第」と前だけを向く。陽気なキャラクターの持ち主で、また楽しみな存在が増えた。(デイリースポーツ・山本鋼平)

 ◆垣添玄空(かきぞえ・はるく)2007年9月18日、東京都台東区出身。中学までスポーツ歴はなく、埼玉栄高で相撲を始め、3年時の高校総体団体戦3位、同国民スポーツ大会相撲少年団体で埼玉県の準優勝に貢献した。名前は父の雷親方が現役時代に大関把瑠都を意識して「ハルク」を希望したことから。母は女子相撲日本一の栄美さん、妹は埼玉栄高1年で相撲部の星空(せいら)さん。憧れは朝青龍。好きなゲームは「スマッシュブラザース」でカズヤを愛用。180センチ、115キロ。しこ名は「垣添」の予定。

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