【スポーツ】子どもたちに「相撲と触れあう機会」を 横浜で相撲クラブ立ち上げ 伊勢ケ浜部屋が先行投資

 雨空の下、保護者や地域の住民、隣接する日産スタジアムのJリーグ観戦に訪れたサポーターら、約300人が土俵に視線を向けた。部屋の幕内伯桜鵬、熱海富士、十両の尊富士、研修生のバトツェツェゲ・オチルサイハンらが参加。募集した小中学生50人、クラブの部員10人に胸を出した。初っ切り、相撲甚句、弓取り式なども披露された。

 初めてのイベントを終えた伊勢ケ浜親方は「たくさんの子どもたちが参加してくれて良かった。相撲をやったことがない子に、相撲と触れあう機会をつくりたかった」と振り返った。

 力士が病院や学校を訪問したり、地域の大会に顔を出すことは珍しくない。土俵を寄贈するケースも過去にはあった。ただ、今回のように主体的に相撲クラブを立ち上げ、地域の自治体と連携する試みは珍しい。

 伊勢ケ浜部屋横浜相撲クラブ監督は、幕内阿武剋(阿武松)らを輩出した強豪の神奈川・新名学園旭丘高相撲部監督の岸田光弘氏(52)が務める。部員10人は全員が小学生(男8、女2)。同校のある同県小田原市は相撲が盛んで、各年代と連携した強化を行っている中、岸田氏は「横浜でも活動したかった。長く続けていきたい」と語った。1998年の神奈川国体では日産スタジアムでの開会式に参加。「神奈川代表で個人準優勝でした。思い入れのある場所なんです」と目を細めた。

 相撲場の管理・運営は新横浜公園と同クラブが行い、練習は週2回ほど。高校、監督の母校である日体大の相撲部が指導に協力する。同クラブからの大相撲入り、高校への進学も期待されるが、岸田氏は「それは当分先の話。まず相撲を楽しんでくれる子が増えれば」と話した。

 伊勢ケ浜親方は2月の寄贈式典で「土俵は作ればいいものではない。自治体、指導者と協力して、土俵をいかに活用するかが大事」と語っていた。岸田氏と先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)の親交が深いことも奏功し、まず横浜で形になりつつある。

 今イベントに参加した小中学生50人から、数人がクラブの見学に訪れる予定で、部屋とクラブの協力は続いていく。同様の相撲場寄贈とクラブ立ち上げに関して、伊勢ケ浜親方は「大阪、名古屋、神戸、浜松。いろんなところから声がかかっています」と、さらなる拡大に意欲を示した。

 力士数の減少が顕著な大相撲、そして伊勢ケ浜部屋の発展につながる先行投資にように思えた。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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