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【スポーツ】B1昇格・広島の浦社長 地元の「熱さ」に感謝 支援で財務危機脱出

 バスケットボール男子の2部(B2)広島が来季から初めて1部(B1)で戦うことが決まった。Bリーグ発足から4年。過去3度はね返されてきたB1の壁をようやく乗り越えた。16年7月に現職に就き、チームを陣頭指揮してきた浦伸嘉社長(39)は、さらなる飛躍へ向けて、ファン層の拡大や新アリーナ建設を目指していくことを明かした。

  ◇  ◇

 4月24日、Bリーグのオンライン理事会が開かれ、広島へのB1ライセンス交付を承認。B1初昇格が正式決定した。

 浦社長「多くの方に支えてもらい、応援していただいた。新しいステージに立てるということで、感謝の気持ちでいっぱいです」

 B1昇格への道のりは決して平たんではなかった。過去3シーズンは毎年のように大きな期待を受けながら、応えられなかった。

 浦社長「うまくいかないことが多く苦しかった。しかし、今振り返ってみると、大変だったことも苦労したこともB1に昇格するためには必要なことだった。悔しい思いがあったからチームは成長することができた」

 今季は大型補強も実り西地区で初優勝。新型コロナ感染拡大でリーグ打ち切りとなった3月下旬までに40勝7敗の成績を残し、ライセンス交付を前提とした昇格の権利を勝ち取った。しかし、クラブの財務状況は悪化。ホームゲーム2試合が無観客、8試合が中止となったため、約5000万円の収入を失った。さらにリーグ戦後の昇格プレーオフで見込んでいた約5000万円も得られなかった。約1億円の収入減は大きな痛手だ。

 B1ライセンスの交付を受けるためには収支の改善は不可欠。クラブはファンや企業から協賛金を募り、約1700万円が集まった。スポンサー企業からの寄付金や親会社のNOVAホールディングスからの補てんもあり、最終的には交付条件をクリアした。

 浦社長「選手は最高の成績を残して昇格の権利を勝ち取ってくれた。そして、そのバトンを受けたフロントも営業が一生懸命に知恵を出し、隅々まで声をかけ、泥くさいろんなことを積み上げてくれた。現場とフロントが一丸となってつかんだ昇格だと思っている。多くの協賛金も集まり、広島の皆さんのスポーツへの熱さ、ドラゴンフライズへの深い愛情を感じた」

 来季開幕は10月の予定。選手は早くもB1での戦いを見据える。朝山正悟主将(38)は「昇格が終着点ではない。これまでB2から上がったチームは苦戦しているが、B2でも上の舞台で戦えることを証明したい。しっかりと準備して優勝を目指したい」と意気込む。選手の思いはフロントも同じだ。

 浦社長「広島はスポーツ王国というプライドを持った素晴らしい県。カープ、サンフレッチェという大先輩が素晴らしい歴史を作ってきた中で、我々もバスケットボールのB1というトップリーグで戦うことになり、ようやく広島の皆さんからも認めていただけるのではないか。ここからまた一つ一つ積み重ねていきたい」

 B1で戦うための戦力補強ととともに、経営面でも盤石の態勢を築く必要がある。そのためにもまず掲げるのはファン層の拡大だ。

 浦社長「ドラゴンフライズはだれか1人のものではなく、地域のもの。ファンの数をより広げていくことを大事にしている。バスケットの最大の魅力は選手とファンの距離が近いこと。その長所をさらに生かし、より選手とファンの距離を近くして、ファンの思いに寄り添うような活動を続けていきたい。地域から愛されるクラブとして歩んでいく」

 長期的な施策としては、2026年の新アリーナ建設も目指している。Bリーグは26-27シーズンからB1の審査基準に新たに「(アリーナの)主体的な運営」を加える。現在のホームアリーナの広島サンプラザは広島に運営権はない。

 浦社長「(新アリーナは)まだ情報を集めている段階で何も決まっていない。ただ、B1昇格は追い風になる。いろんな方に注目してもらえるし、話も進めやすくなる」

 広島にバスケットボール文化を根付かせていくためにも、新たなステージに立つ広島の挑戦は続く。(デイリースポーツ・工藤直樹)

 ◆浦伸嘉(うら・のぶよし)1980年10月1日生まれ。広島県出身。元プロバスケットボール選手。美鈴が丘高から大商大を経て、bjリーグの新潟、福岡でプレーし、07年に引退。16年7月に広島の社長に就任。現役時代のポジションはポイントガード。172センチ、65キロ。

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