【スポーツ】完成度の羽生VS爆発力のチェン 一騎打ち!歴史に残る死闘を

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが5日(日本時間6日)、イタリアのトリノで開幕する。日本からは男子が羽生結弦(24)=ANA、女子は紀平梨花(17)=関大KFSC=がエントリー。男子は昨季世界選手権王者ネーサン・チェン(20)=米国=と羽生の一騎打ちとみられている。また女子は4人が出場するロシア勢に、紀平がいかに対抗するかが注目だ。担当記者が今大会の展望を語る。

 GPファイナルの行方は、羽生自身がNHK杯翌朝に冗談交じりで語った「ネーサン(・チェン)選手との戦いとしか思ってないんですけど」という言葉に集約されるだろう。GPシリーズ上位6人が争う舞台ではあるが、ベストスコアを見れば羽生と合計323・42点の世界最高得点を持つチェンとの一騎打ちとみられている。

 今季これまでの成績で言えば、羽生は2戦続けて300点超えを果たしている一方で、チェンはスケートアメリカで記録した299点が最高。羽生に分があるのは歴然だ。とはいえ、チェンはスケートアメリカ、フランス杯とも4回転が2回転になったり、着氷が乱れたりと、完璧な演技は見せられていない。もちろん羽生にもまだ伸びしろはあるが、「やっぱりネーサン選手はこんなもんじゃない」と羽生自身が言うように、チェンが彼のプログラムを完成させたときの爆発力は計り知れないものがある。

 今大会で難度の高い4回転ルッツ再挑戦の可能性をにおわせている羽生だが、勝負の鍵を握るのは「完成度」になるだろう。現状のジャンプ構成でも十分チェンに対抗できることは、スケートカナダで世界最高得点まで0・83点差まで迫ったことで証明済み。いかにいい状態で試合に臨み、ミスなく高いレベルで演技をまとめることができるか。SPから完璧な演技を見せて、重圧をかけていきたいところだ。

 羽生が右足首の負傷でファイナル出場を断念したこの2年間、続けて頂点に立ったのはチェンだった。羽生にとっては男子史上初の4連覇を成し遂げた、思い入れの強い大会。「やっぱり勝ちたいので。勝つことに意味があると思っている」とも語っている。2度の五輪で見せたように、勝利への強い欲求を力にすることができるのも羽生の武器。歴史に残る熱戦を期待したい。

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