【野球】広島・中村恭、危機感胸に目指す1軍マウンド 9年目、背水の決意

 広島・中村恭平投手(29)が再び1軍の舞台に上がるべく、勝負の9年目を過ごしている。直球に磨きが掛かった一方、変化球に課題を残す左腕。昨季は8試合の登板に終わっており、「8年間、毎年悔しい。立場的にもやらないといけない。毎年勝負をかけている立場。毎回危機感を持ってやりたい」と悲壮な覚悟を口にした。

 春季キャンプは2軍で過ごしたが、開幕1軍をつかみ取るチャンスはあった。3月12日に今年初めて1軍昇格。同日の日本ハム戦で1回無安打1四球1失点と結果を残すと、続く13日の同戦でも登板し1回無安打無失点2奪三振と快投でアピールした。だが、21日のヤクルト戦で1回1/3を1安打3失点4四球。23日に2軍降格となった。

 それでも、持ち味でもある直球に変化を見せていた。3試合全てで昨季1軍での最速147キロを超え、21日には151キロを計測。向上心を持って取り組んだトレーニングの成果だった。オフは「下半身1に対して上半身4」のウエートトレに注力。体重は84キロから91キロに増え「安定感、体の軸ができた感じがします」とうなずいた。

 その一方での課題が変化球の精度だ。26日のウエスタン・中日戦では、直球に頼りすぎたことで2回6安打4失点の結果を招いた。「真っすぐを張られて打たれる。(直球頼りだと)力も入るし、ボール球になったりリスクも増える。他の球を良くしないと」とスライダーやフォークなど、変化球に磨きを掛かなければいけないと痛感している。

 昨年、今年の1軍経験では、中継ぎとしての心の持ち方を中田らから吸収した。1軍ではいつ出番が来るか分からないこともあり、「考えていっちゃいけない役職。腹をくくっていくしかない。今日どうしようと思っても、いい方にはいかない」。開き直って、マウンドに上がることも必要だと感じている。

 2軍で結果を残すことで1軍に早期昇格し、今年こそ定着を果たしたい。「先を見ないで1試合でも、1アウトでも多く。その結果、最終的に1年間貢献するところにいければ」。端正なマスクから、強い決意がにじみ出ていた。(デイリースポーツ・田中哲)

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