【野球】巨人青山が現役続行へ 育英高校で培った折れない心

 1日、巨人・青山誠外野手(26)が、球団から戦力外通告を受けたという記事が出ていた。見出しになっていたわけではない。同じく巨人を戦力外となった寺内崇幸内野手(35)の記事の最後に、付け加えるようにして記載されていた。

 私にとって、育英高校野球部時代のチームメートだ。2017年シーズン途中に育成から支配下選手契約を勝ち取ったが、プロ5年間で1軍出場はなし。折りをみて連絡を入れると、「トライアウトを受けようと思っている。もしプロがダメでも、それこそ海外とかでも」。電話越しの声に強さを感じる。闘志の火が消えていないと分かり、うれしくなった。

 戦う理由はある。「終盤、内田(2軍打撃)コーチのおかげで、自分の中でこれかなっていうのが見つかった」と、現在の打撃に確かな手応えを感じている。戦力外通告を受け、自らの可能性に見切りをつけることも考えたが、「迷っているってことは、やりたい気持ちがあるからじゃないか」と現役続行の意志を固めた。

 気持ちの強い選手だ。高校に入学して間もない時期だった。同じ1年生の野球部員が集まる廊下で、青山が高らかに宣言した。「もし、たばこ吸ってるやつがいたら俺が許さんで」。当時の私はこの発言を快く思わなかった。だが、これくらいのことを言ってのける人間であるからこそ、プロになれたのだと今は感じる。

 高校在学中、野球部グラウンドの外野フェンスには、「闘志なきものは去れ」との看板が掲げられ、戦う姿勢を前面に出すことを求められた。そういった環境の中で、特に激しく闘志をむき出しにしたのが青山。衝突を恐れず相手に向かっていくプレースタイルは、プロに入っても変わっていない。

 長年、プロ野球を見てきた人たちはよく、「最近の選手はおとなしくなった」と嘆く。そんな最近の若手選手像を覆す、熱いハートの持ち主だと思う。これからも挑戦を応援し続けたい。あいつなら何かやってくれる-。そう思わせてくれる男だから。(デイリースポーツ・山本航己)

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