【野球】村田修一氏、最後に伝えることができた古巣への感謝の念

 左翼席で懐かしいファンファーレが奏でられた。9月28日、東京ドーム。古巣同士の対戦となった巨人対DeNA戦に、今季限りで現役を引退した村田修一氏(37)が来場した。試合後にグラウンドに姿を見せ、場内一周。右翼から左翼へと歩を進めると、DeNAファンから横浜時代の応援歌の大合唱が沸き起こった。目を真っ赤にして右腕でリズムを取った村田氏。頭を下げて感謝した。

 「(応援歌を演奏してくれて)ホッとしたところもありますかね。育ててもらって感謝していますし、本当に選手としての方向性を見いだしてくれたのが横浜ベイスターズ。そういう意味では、皆さんにあいさつができて、最後、応援歌を歌っていただいて感謝しています」

 2011年オフ、「勝ちたい」という思いを胸にFA権を行使し、横浜に別れを告げた。入団から9年。その間、最下位が7度。移籍して勝つ喜びを味わう一方で、主砲として「勝たせられなかった」という思いも去来していた。試合前、マイクの前に立った村田氏は「本当に、申し訳ありませんでした。しかし、いつも温かいご声援をいただいたことは僕の胸に、今も刻んであります」と謝罪。FA移籍から7年。横浜ファンと正面から向き合うことができた。

 「今年最後の試合で皆さんに報告ができて良かったと思います。それで僕が出て行ったことが帳消しになるわけではないですけど、僕は色んなことを考えて選択して出て行った。それはどこにも悔いはないですけど、来年辞めると自分の口で伝えられて良かったと思いますね」

 場内一周後には、両軍ナインの手で5度、宙を舞った。16年の現役生活の最後に訪れた大団円。G党、ベイ党問わず大声援と拍手で送られた背番号25。泣き笑いの表情の中に、“仁義”を通すことができた安ど感も、にじんでいた。(デイリースポーツ・野畑圭司)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス