【野球】引退のBC栃木・村田修一がファン、球界関係者から愛される理由

 昨季限りで巨人を退団したBC栃木の村田修一内野手(37)が、正式に現役引退を表明した。9日には栃木の今季最終戦となる群馬戦(小山)に出場し引退試合も開催された。試合後のセレモニーで号泣し、16年のプロ生活に別れを告げた。“男・村田”がユニホームを脱ぐことに多くの球界関係者が惜しみ、悲しんだ。

 引退試合が行われた小山運動公園野球場には関係者から多くの花が届いた。大学時代から対戦してきたヤクルト・石川、日大時代の同僚の同・館山。在籍した巨人の元チームメートたちからは菅野、坂本勇、内海、杉内らの名前がズラリと入った特大のフラワーボードが届いた。試合後のセレモニーでは巨人・阿部から「本当におつかれさま。これからも、よろしくな」とのメッセージも届いた。

 これだけ球界関係者から愛され、慕われる村田という選手は“稀有(けう)な存在”と言っていい。希代のスラッガーとして残してきた実績だけで語ることはできない。それは、こわもての村田からは想像できない人間性だろう。

 スター選手が、NPBを目指すBCリーグの若手選手に交じって汗を流し、同じ釜の飯を食べた。チームメートと行動も共にし「過酷な移動の中で頑張っている選手もいた」と村田。自身もチームに溶け込んだ。現役時代にソフトバンクでプレーしたBC栃木の辻武史監督は、そんな村田の姿勢に感心した1人だ。

 同監督は言う。「スーパースターが、BCの選手に真剣に必死に教えてくれた。1から10まで細かく説明してくれた。さすがだなと思います。人間性ですね」。百戦錬磨の男が培ってきた経験と知識は豊富。それを若い選手らに惜しげもなく精神面にいたるまで熱心に伝えた。熱くて優しい心。そんな村田の人間性が多くの球界関係者に慕われ、愛されるゆえんだと思う。

 今後は未定だが「家族と相談しながらゆっくり、のんびり考えながら進んでいきたい」と村田。“男・村田”が、どんな第2の人生を送るのか、楽しみだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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