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【競馬】JRAも検討求む!G1騎乗に絡む騎乗停止処分の救済ルール

 提言したいことがある。このタイミングだからこそ、競馬先進国と言われる海外に習って一考を願いたい。

 現地19日、米クラシックの第2戦プリークネスSが行われ、1番人気に支持されたジャスティファイが優勝。ケンタッキーダービーに続いて、米クラシック2冠を達成し、デビューから無敗の5連勝を飾った。6月9日のベルモントSを勝てば、77年シアトルスルー以来41年ぶりに無敗の三冠馬誕生となる。米国の競馬ファンには、たまらないクラシックとなりそうだ。

 ここからが本題だ。騎乗したのはマイク・スミス。サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、そして今回と乗り続けていることも、盛り上がりの一因と言えるだろう。実は、このマイク・スミス、6日のサンタアニタ競馬場で進路妨害を犯し、17日から20日まで4日間の騎乗停止処分が下っていたのだ。

 2冠を懸けたプリークネスSに主戦ジョッキーが騎乗できない-。そんなファンの不安を打ち消したのが、主催者の救済措置だった。1日分の騎乗停止を後日に先送りすることで、プリークネスS当日の騎乗が許可されたのだ。乗り代わりによる2冠では、盛り上がりも半減していただろう。主催者のファインプレーをたたえたい。

 日本での適用は難しいのだろうか。武豊Jに聞くと、「ぜひ、実現してほしい」と即答。最近では4日間の騎乗停止処分を受け、クリンチャーと臨む予定だった今年の天皇賞・春に騎乗することができなかった。「大事なレースだった。オーナーからは“凱旋門賞に向けて感触をつかんでほしい”と言われていたからね」。武豊にとっては、春盾3連覇が懸かっていた一戦。また、その先にある凱旋門賞は国内外から注目されるレースだ。

 ファン目線で、エンターテインメントとして捉えるなら、武豊が天皇賞・春に騎乗できなかったことは残念でならない。

 どんな選択肢であっても、同じ馬に乗り続けることの重要性を訴える。「他には、罰金か騎乗停止のどちらかを選べるようにするとか。ジョッキーに与えられる賞金はいらないから、乗せてほしいと思うことだってある」。これまでに何度か、騎手クラブ側がこういった救済措置をJRAに求めてきたが、「罰にならない」という回答だったという。罰は違う日に受けるのだが…。

 武豊Jの騎乗停止によって、チャンスが巡ってきた藤岡佑JがG1初勝利(NHKマイルC)。そんなドラマが生まれるのも分かるが、個人的には米国の措置を希望する。大レースを翌週に控えた騎手が、騎乗停止を恐れて“攻めの騎乗”ができないことも避けられる。例えば菊花賞の前週、三冠達成の懸かった鞍上の馬券を疑いなく買えるだろうか。ちょっとでも不安点をつつこうとする私なら、すすんで購入することはない。積極的な騎乗ができるとは思えないからだ。救済措置があれば、思い切った騎乗ができ、そんな疑念を持たれることもない。

 G1の登録は2週前に行われる。ほとんどの馬は鞍上が決定しており、スポーツ紙などの紙面にも掲載される。ファンの予想はここから始まることを考えると、騎乗停止期間がG1に該当する場合だけでも、救済措置が行えないだろうか。

 「G1を除いた土曜だけで消化することはできない」、「救済の要求はG1のある1日に限る」、「先延ばしの期間は1カ月以内」。こういったルールの下、処分の見直しが検討されることを望む。(デイリースポーツ・井上達也)

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