【野球】カープ新井が活躍し続ける要因…直球に振り負けない体力+技術

 広島・新井貴浩内野手(41)が、節目のプロ20年目の春季キャンプを終えた。仕上がりは昨年以上で、今年も勝負強い打撃に期待大だ。昨季は100試合に出場し、打率・292、9本塁打、48打点。新井が年を重ねても活躍を続ける要因は何か。昨年のデータからひもといた。

  ◇  ◇

 今年も新井は2月中旬に1軍本隊を離れ、2軍キャンプ地・日南でじっくり調整した。「今年はいいんじゃないかな。昨年よりいいと思う」。仕上がりは順調そのもの。ベテランの健在ぶりを示す、こんなデータがある。

 113打数42安打、6本塁打、打率・372。昨季、新井が直球を打った数字だ。打率・372は100打席以上立った打者の中で12球団トップ。速球に振り負けず、しっかり捉えられていることが分かる。コース別に見ると、真ん中から外角高めにめっぽう強く、打率は5割以上。ただ、新井にとっては意外な数字だったようで「どういうこと?真っすぐをよく打っているということ?12球団1?すごいね!」と目をパチクリさせた。

 年齢を重ねると直球に振り負けたり、球を捉えたと思っても空振りすることがあると聞くが、新井にはまるで当てはまらない。成績低下に直結すると言われる目の衰えも、全く感じないという。

 「全然ないんよね。年取ったら目に来る、真っすぐが速く感じるとか言うけど全くない。目のトレーニング?何もしてない(笑)」

 配球の読みも要因かと聞けば「経験的なものもあると思う」とうなずき、「でも速い球を打ち返す技術、体力がないと打ち返せない」と言った。そして打撃において「速い真っすぐ」を打つことを若い頃から何よりも大切にしてきたという。

 「今は動かしたり、チェンジアップだったり、いろんなボールがあるけど、打者にとって一番嫌な球は速い真っすぐ。これはみんなそうだと思う。だから速い真っすぐを捉えられていることはいいこと。41歳になってそれはすごいことだと思うよ。自慢できるね」

 41歳を迎えても元気いっぱいだ。キャンプ前半は恒例の坂道ダッシュで下半身を鍛え、中盤からはバットを振り込んだ。今年もギリギリまで体を追い込み、速い直球に振り負けない体を作り上げた。同時に技術的な向上も目指している。「いかに自分のいい形で打てるか」。その精度を上げるため、シーズン中も「感覚的なマイナーチェンジ」を繰り返しているという。

 「まだ良くなると思っている。もう良くならないと思ったら、辞める時。まだまだ負けんという気持ち」。向上心に支えられた体力と技術で、今年も速球を打ち返す。(データは共同通信デジタル)=デイリースポーツ・杉原史恭

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