【野球】先発ローテの“秘密兵器” 阪神の3年目・竹安に飛躍の予感

 矢野2軍監督の下、スタートした阪神2軍キャンプ。第1クールにひときわ目立った投手がいた。プロ3年目を迎える竹安大知投手(23)だ。

 4日のブルペンでの投球練習。ゆったりしたフォームで右腕をしならせた。角度のある直球は、キレもノビも抜群。カーブは横から見ると大きな落差があった。投げた本人も驚く107球だった。

 「今までで、一番ボールが強かったと思います」

 プロ入り前の2014年冬に右肘にメスを入れ、トミー・ジョン手術を受けた。ようやく術後3年が経過。誰よりも本人が、これまでは明らかに違う変化を感じている。

 「手術から3年がたって、腕が振れてきたのかなと思います。変化球の曲がりも今までとは違うし、間違いなく腕が振れている。こういうことは今までの野球人生でありませんでしたから」

 捕手の後方に座って球筋を見つめた矢野2軍監督は、何度もうなずいていた。「力んで投げるようなタイプではないから、(球威とフォームの)ギャップが出るね。四球で崩れるようなタイプでもない。今日みたいな投球なら(1軍の)ローテ枠に食い込んでいけるような期待が持てる。『甲子園で先発するために』って思ってやっているんじゃないかな」。現役時代に数多くの投手の球を受けた名捕手が球筋を絶賛し、飛躍を予感した。

 竹安は2015年ドラフト3位で入団。当時は全国的に無名な存在で、ドラフト後には上位指名を驚く声もあった。ただ、数年後の上位指名を狙っていた球団もあったといい、能力は高く評価されていた。

 その素質は少しずつ開花しようとしている。竹安は充実した表情で手応えを口にした。「今までは不安が大きいところがあったけど、今は楽しみ。阪神に来てから状態が右肩上がりなのは間違いないですね。僕自身もどれだけ上がるのか未知数です」。手術前は先発時の直球は常時142キロほどだったが、昨季の時点で145キロほどまでアップしているという。

 ただ、イメージと現実にはまだ差がある。ブルペンでは高めに浮く球も多かった。「フォームに再現性がなくて、ムラがあった。まだ上半身と下半身のバランスが合っていないからばらついていた」。今春キャンプはフォームに微調整を加え、今の体にあったフォームを身につけようとしている。

 藤浪と同級生の23歳。昨年10月5日・中日戦で中継ぎとして1軍デビューし、1回無失点で初登板初勝利を挙げている。今季、実力を出し切ることができれば、先発ローテの“秘密兵器”になるかもしれない。(デイリースポーツ・西岡誠)

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