【スポーツ】広島の81歳ボディービルダー世界挑戦 玄米&納豆で筋肉隆々

 世界大会に向けてトレーニングに励む日々
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 広島のスーパーボディービルダー、81歳の金澤利翼(としすけ)さんが昨年に続き、11月にルーマニアで開催される「世界ジュニア・マスターズボディビル選手権」に出場する。80歳を超えても筋骨隆々の身体を維持し、第一線で活躍する秘密は「玄米ご飯、納豆、味噌汁」だ。「日本国中のおじいさん、おばあさんに勇気を与えたい」と話す金澤さんの魅力に迫った。

 知る人ぞ知るスーパーおじいちゃんだ。広島市の「広島トレーニングセンター」の会長でもある金澤さん。今年9月に三重県伊勢市で行われた「日本マスターズボディビル選手権」の80歳の部で優勝し、通算12回目の日本一に輝いた。11月10日開幕の「世界ジュニア・マスターズボディビル選手権」では50歳以上の部に出場する予定。日本の81歳が30歳以上も年下の世界の猛者たちに立ち向かう。

 「去年は65歳以上の部で6位入賞し、特別表彰の金メダルももらった。今年は50歳以上の部なので、正直、予選通過は難しいと思うが、できる限りの準備をして日本人の意地を見せたい」と、どこまでも意気軒高だ。

 「80歳で世界の舞台で戦ってみたい」。1967年と69年の世界大会で4位に輝いたこともある金澤さんが80歳を前に、再び世界への挑戦を決めたきっかけとなったのは冒険家・三浦雄一郎さん(84)の快挙だった。4年前、三浦さんは史上最高齢の80歳で世界最高峰のエベレスト登頂に成功。このニュースを耳にした金澤さんの闘志に火が付いた。「同じ80歳で、自分も世界に名前を残したい。筋肉量は若い者にはかなわないけど、筋肉のキレなら負けない自信はある」と奮い立った。

 驚異の肉体を支える秘密は「玄米ご飯、納豆、味噌汁」だ。50歳から肉、魚、野菜はまったく口にしていないという。「若い頃は肉の盲信者。肉、肉、肉の毎日で肉しか食べなかった」そうだが、肉なし、魚なしの“粗食”での筋肉を追求。身体や食物の研究を重ねた結果、現在の食生活にたどりついた。1日の食事のメニューは次の通りだ。

 【朝食】 玄米ご飯、納豆、味噌汁(白味噌、わかめ、椎茸、たまご1個入り)

 【昼食】 玄米ご飯、納豆

 【夕食】 玄米ご飯、納豆

 これとは別に、朝夕にプロテインは摂取しているが、基本は玄米ご飯、納豆、味噌汁。この食事を30年以上、毎日続けている。

 「体に悪いものは一切口にしない。酒も飲まないし、甘いものも食べない。飲料もミネラルウオーターしか飲まない」。栄養不足が心配されるが「玄米にはすべての栄養素が入っているから大丈夫。それは私の体が証明しているでしょ」と笑う。玄米を食べ始めてから病気知らずで病院には一度も世話になっていない。「病気になる物は食べないんだから必要ない」と健康診断にも行っていない。

 14年前に妻・和子さんを亡くしてから1人暮らし。毎朝、自分で食事を作り、昼間は自身のトレーニングやジムの会員を指導する。週末は洗濯、掃除をし、夜は映画館へ行くのが楽しみだ。「頭の体操も兼ねて洋画で英語の勉強をしている。だいたい字幕なしで理解はできるよ」。ボディービルに欠かせない日焼けは、広島マリーナホップで岩国基地の米軍ラジオ放送を聴きながら日光浴する。

 「世界選手権に出ることで、日本食の素晴らしさを世界の人に伝えたい。そして100歳まで元気で長生きすることで、日本国中のおじいさん、おばあさんに勇気を与えることが私の役目。自分もヨボヨボのおじいさんにはなりたくないからね」と力こぶをグイッ。

 現在は、世界大会に向けて1日3時間のトレーニングに励む。ボディービル界の常識を覆す玄米ご飯、納豆、味噌汁での世界挑戦。日本のスーパーおじいさんが世界のつわものをあっと驚かせる。(デイリースポーツ・工藤直樹)

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