【芸能】渡瀬さん ドラマ「9係」と井ノ原へのあふれる愛 新シーズン出演願うもかなわず

 多臓器不全のため14日に死去した俳優の渡瀬恒彦さんは、V6・井ノ原快彦(40)とタッグを組み、2006年からスタートしたテレビ朝日系人気刑事ドラマ「警視庁捜査一課9係」の出演を毎年、楽しみにしていた。

 2015年2月頃、4月期開始の第10シーズンを控えた渡瀬さんは取材用の写真撮影のためタキシードをまとい、井ノ原とシャンパンで乾杯した。記念イヤー突入の心境に、「単なる10年目」とスタンスを変えずに臨むことを明かしながら、呼んでみたい特別ゲストについて、「兄貴、呼びますか?V6を1人ずつ!!」と兄で俳優の渡哲也(75)や井ノ原の仲間との共演プランを楽しげに語った。すぐに実現できるほど簡単な企画ではないことを分かっていた上で、少しでも取材現場を盛り上げようと話題を提供する気遣いと、夢プランを語ったときの生き生きとした表情は印象的だった。

 同局系刑事ドラマ「相棒」と共に人気を博した。ドラマは渡瀬さんが加納倫太郎係長を演じ、刑事・浅輪直樹役の井ノ原とのコンビが光る本格群像刑事ドラマ。主に7月期の水曜午後9時枠で放送され、10月期に同枠で放送してきた「相棒」シリーズにつなげた。

 相棒について故人は「追いつけ追い越せはないけど、意識はしますね。やっぱり、すごいと思う」と感心しながら、「-9係」については「続けられるもんなら続けたい」と相棒に続く長期シリーズへの意欲を見せていた。

 長年、コンビを組んできた井ノ原との歩みはうれしげに語っていた。「僕は私生活で変化がない」と笑いながら、「最初に会った時、イノッチは28歳。ふと変わったのは3~4年目の結婚前後で、大人になった。いい顔になってきた」と成長に目を細めていた。

 渡瀬さんからは同作以外でも意見をもらってきた井ノ原は15年当時、渡瀬さん含む9係チームについて、「グループ以外で10年続いた仕事がないので、家族っぽい」と話していた。渡瀬さんとは2人で食事に行くこともあり、07年に女優・瀬戸朝香(40)と結婚、2人の子供(10年に長男、13年に長女)が誕生した際など人生の節目には連絡も欠かさなかった。「個人的にいいことがあったら、渡瀬さんにお知らせする。ずっと一緒にいたい。絶対に年を取ってからも思い出す関係性。スタッフも。共に戦ってきた」と渡瀬さんや「9係」の思いを語っていた。

 渡瀬さんは今年4月から始まる第12シーズン開始を前に、「僕にとって、『やらせてください、やりたいんです!』と言いたい作品」とコメントを寄せていたが参加することはかなわなかった。ドラマは倫太郎役の代役を立てずに予定通りに放送する。この先、倫太郎はどのように描かれていくのか。渡瀬さんの思いを胸に井ノ原らメンバーがどのように9係を“継承”していくのか。4月からの放送に注目が集まる。

 (デイリースポーツ・上野明彦)

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