【野球】2年目のジンクスはもはや“死語”か 一昨年の新人王・山崎康&有原も活躍

 2年目のジンクス-。かつてプロ野球界で聞かれていた言葉が、今は“死語”になりつつある。昨季は、一昨年のセ・パ新人王が2年連続で活躍。DeNA・山崎康は抑えで33セーブ、日本ハム・有原も11勝を挙げて日本一に貢献した。

 それ以前の新人王受賞選手の2年目を見ても、14年は楽天・則本が14勝。15年はロッテ・石川が12勝と勝ち星を増やした。ここ10年を振り返ると、阪神・上園やオリックス・小松は成績を落としているが、2年目に首位打者を獲得した巨人・長野を筆頭に、多くの新人王が2年連続で力を発揮している。

 90年代は確かに、2年目のジンクスが存在した。中日・川上は前年の14勝から8勝、巨人・上原も20勝から9勝と壁にぶち当たった。中日・与田、広島・沢崎、ヤクルト・伊藤は新人王受賞シーズンの登板過多がたたり、翌年は肩や肘を痛めて活躍できなかった。

 2年目のジンクスの要因として挙げられていたのが、他球団のマークが厳しくなるということ。ただ、ある球団のスコアラーは「今は映像の精度も上がって、データの傾向も収集しやすい。癖の解析もでき、弱点も克服できる。昔のように癖があったって抑えればいいんだろ、という時代ではなくなった」と言う。研究される側も、相手のマークを上回る対策が練られるようになった。

 また、故障のリスクをより回避するようになったことも、2年連続で成績を残せる一因だろう。先発は登板間隔が設けられ、中継ぎや抑えなど役割も確立された。練習でもキャンプから球数を管理される時代になり、DeNA・山崎康は前年の疲労蓄積を考慮され、2年目のキャンプですでにマイペース調整が許されていた。

 球界全体の投げ込み不足を指摘する声もあるが、巨人の前監督・原辰徳氏は「今の選手は本当によく練習するよ。オフもちょっとゆっくりしようかと思ったら、もう海外で自主トレだもんな」と、意識の変化を口にする。投げ込むだけでなく、基礎練習や筋力トレーニングに時間を割く姿が目立つ。

 今年もキャンプに突入し、球春到来を迎えた。昨季の新人王、阪神・高山は1キロのマスコットバットをブンブンと振り、昨季8勝のDeNA・今永も初日から120球を投げ込んだ。キャンプ前に「2年目なんで、1年目と違うところを見せないといけない。フレッシュな気持ちです」と語っていたのは今永。ジンクスとは無縁の選手が、多く生まれることを期待したい。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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