和の象徴となるか、東京五輪エンブレム

 20年東京五輪まであと5年となった24日、都庁で開催されたイベントで、大会のシンボルマークとなるエンブレムが発表された。

 国内外の104件の応募の中から選ばれたのは、日光江戸村の人気キャラクター「ニャンまげ」の産みの親でもある、アートディレクター・佐野研二郎氏(42)のデザインだった。

 テーマは「和の力の象徴」。TOKYO、TEAM、TOMORROWのTをメーンのイメージとし、すべての色が集まることで生まれる黒、一人一人のハートの鼓動を意味する赤などで構成されている。

 発表後の会見に出席した佐野氏は「単純に夢かと思いました。20年近くデザイナーをしていて、いつか五輪のシンボルを作ってみたいと思っていました。夢は叶うんだなと思いました」と、笑顔を浮かべつつ、デザインについて「いろんな色を使う選択肢もあったが、五輪のマークでたくさんの色が使われている。エンブレムはシンプルにできないかと考えた。日の丸の赤を象徴的に見せるために、他の色をモノクロや、金、銀を使いました」と、説明した。

 ただ、エンブレムを見た人たちの反応はさまざまだ。「シンプルでいい」「分かりやすい」という声もあれば、近年の五輪エンブレムは華やかな色使いが多かっただけに「地味」という声や、黒が多く使われていることに「縁起が悪い」という声も。アルファベットに、日の丸を組み合わせたという意味で「Jリーグのロゴと似ている」と話す人もいる。新国立競技場での迷走で五輪開催自体に国民の目が懐疑的となっていることもあり、やや否定的な反応が多いようだ。

 1964年の東京五輪のエンブレム、亀倉雄策氏が手がけた大きな太陽と金色の五輪の力強いデザインは、当時、戦後復興を果たした日本の象徴となり、今なお根強い支持を得ている。奇しくも昨年、亀倉雄策賞を受賞した佐野氏は「1964年東京大会のエンブレムが大好きなので、それを継承しながら新しいものを作りたかった」と、前回大会の要素を取り入れたことを明かした。

 エンブレム発表後、組織委員会の森喜朗会長は「このエンブレムを中心に、5年後の7月24日に向けて一丸となって突き進んでいく」と宣言した。ここまでの準備段階では迷走が続いてきた東京五輪。このエンブレムを象徴とし、関係各所が「1つの和」、チームジャパンとなって、まとまることができるだろうか。

(デイリースポーツ・大上謙吾)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス