王者・楢崎智亜まさかの4位“トモアスキップ”失敗 逃げ切りプラン崩れ、メダル逃す

 リードを終え、待機する楢崎智亜。4位でメダルを逃した
 リードを終えたスペインのアルベルト・ヒネスロペス(右)を迎える楢崎智亜
 リードを終えた楢崎智亜
3枚

 「東京五輪・スポーツクライミング男子複合・決勝」(5日、青海アーバンスポーツパーク)

 3種目それぞれの順位を掛け算するポイント制で争われ、19年世界王者の楢崎智亜(25)=TEAM au=はスピード2位、ボルダリング3位、リード6位の36点で4位に終わり、メダルを逃した。

 頂は遠かった。新種目初代王者の大本命として挑んだ楢崎だったが、まさかの4位。「本当になんて言ったらいいのか。後悔するポイントはたくさんある」と、天を仰いだ。

 強化してきたスピードと、絶対的な自信を持つボルダリングでリードを奪い、逃げ切る。描いていた青写真は、あっさりと崩れた。特に痛恨だったのは、スピードの1、2位決定戦。持ちタイムで圧倒していたスペインのヒネスロペスが相手だったが、序盤、自身が開発したムーブ『トモアスキップ』の箇所で左足を滑らせて出遅れ。「最後に欲が出た。自己ベストを更新して勝ちたい気持ちが出て、ギアを上げて失敗した」。痛恨の2位だった。結果として、金メダルを獲得したのは、ここで1位を獲得したヒネスロペスだった。

 16年にクライミングが追加種目に採用されてから、ずっとこの日の頂点だけを見据えてきた。淡々と振り返る中でも「正直めちゃくちゃ悔しい」と、思いがこぼれた。

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