四十住さくらが金メダル!4大会で初代女王のタイトル「うれしい」スケボー日本金独占

 金メダルが確定し、涙する四十住さくら(撮影・高部洋祐)
 それぞれのメダルを手に記念写真に納まる(左から)開心那、四十住さくら
 演技する四十住さくら
3枚

 「東京五輪・スケートボード女子パーク・決勝」(4日、有明アーバンスポーツパーク)

 強いぞ、ニッポンのスケートボード-。新種目の女子パークで四十住さくら(19)=ベンヌ=が60・09点をマークし、初代女王の座をつかんだ。四十住の金メダルは、日本にとって今大会20個目の節目となった。男子ストリートの堀米雄斗(22)=XFLAG、女子ストリートの西矢椛(13)=ムラサキスポーツ=に続き、ここまでの3種目全てで日本勢が頂点に立った。

 有明に君臨するしゃく熱のパークに、満開のさくらが咲いた。予選はやや難度を下げ、ミスのない演技で4位通過を果たした四十住は、決勝1本目のランでいきなり魅せた。高さの光るトリックを続け、最後に2連続で大技バックサイド540を披露。この日唯一の60点台となる60・09点を出し、両手を上げてガッツポーズ。桜色に染めた髪を高らかになびかせた。2、3本目はミスがあったが、頂点は譲らなかった。

 「まだ夢で滑って金メダルを取っている感じです」と四十住。18年日本選手権で初代女王に輝いたのを皮切りに、ジャカルタ・アジア大会、世界選手権と、初代女王のタイトルを総なめ。五輪女王1号の称号もゲットし「全部初代で金メダルを取れてうれしい」とにっこりはにかんだ。

 競技へ向かう原動力は「楽しむ」こと。この日も「本当にこの舞台を楽しんで、自分のベストの滑りができたことが良かった」と振り返った。高校時代は和歌山から母の運転で往復3時間をかけ、神戸のパークへ練習に通ったが、全ては「スケートボードが好きだから」。20年秋、和歌山の実家から徒歩5分の好立地に倉庫を改修した専用の「サクラパーク」が完成。コロナ禍では毎日1日8時間。多い日は約10時間もパークで試行錯誤を続けた。その結果習得したのが、決勝で得点源となった空中で1回転半する大技バックサイド540だった。

 海外遠征の合間を縫って練習を重ねたが「乗れそうなときに大会や遠征があって。1からやり直し」。完成までは約2年の歳月を要した。初めて技が決まったときは「すごくうれしかった」。最初は着地が怖く、何度も転倒したが、めげずにチャレンジし続けた。

 「1年前にプライベートパークができたことがこの結果につながった」と四十住。ともに戦ってきた母からは「今まで本当によく頑張ったね」と声を掛けられた。

 まだ19歳とは言え、中高生世代の活躍が目立った今大会。それでも四十住は優勝決定直後に「3年後のパリも出られるように頑張りたいです」と語った。現在筋力トレーニングはまだ手つかず。「逆効果になるかもしれないので、東京が終わったらやろうと決めている」。まだまだ伸びしろはたくさんある。

 「スケートボードは楽しいから、もうちょっとスポーツとして見てほしい」。未来への希望と野望を胸に、青空の下で笑顔を輝かせた。

2021-08-08
2021-08-07
2021-08-06
2021-08-05
2021-08-04
2021-08-03
2021-08-02
2021-08-01
2021-07-31
2021-07-30
2021-07-29
2021-07-28
2021-07-27
2021-07-26
2021-07-25
2021-07-24
2021-07-23
2021-07-22
2021-07-21

東京五輪最新ニュース

もっとみる

    東京五輪 写真ハイライト

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス