走り高跳び 1人の勝者決めず2人が金メダル 決定戦「必要ない」と抱き合う
「東京五輪・陸上男子走り高跳び・決勝」(1日、国立競技場)
2m37を飛んだバルシム(カタール)とタンベリ(イタリア)が2人そろって金メダルに輝いた。
走り高跳びでは、より高い記録を出した人が優勝で、もしも並んだ場合は、最後に成功した高さでの試技数が少ない方が勝利、それでも同じならば、すべての試技の中で失敗した回数が少ない人が勝利となる。
ただ、バルシムとタンベリは、2m39を失敗するまでの全ての試技を1回で成功させており並んでいた。この場合は「ジャンプオフ」という形式で、優勝決定のための追加試技を行うが、今回はそれが行われなかった。ジャンプオフに出場すべき選手がこれ以上の競技を行わないと決めた時は、ジャンプオフは行われないためで、2人で金メダルを分け合った。
場内には2人が何かを話し合ってから抱き合う様子があった。お互いが、お互いを金メダルだと認めたと見られる。また、その直前、タンベリの最後の試技の前には、跳躍種目ではおなじみの手拍子をバルシムもしていた。
バルシムは、お互いにジャンプオフをしないことを決めた時のことを「私達がお互いを見て、分かりました。必要ないと」と振り返った。タンベリについて「競技場の外でも友人で、一緒に仕事をしている。夢が叶いました。真のスピリット、スポーツマンスピリットです。そして、ここにこのメッセージを見せることができました」と語った。