“元問題児”高藤直寿の成長金メダルに井上康生監督も男泣き「全部吹っ飛んだ」
「東京五輪・柔道男子60キロ級・決勝」(24日、日本武道館)
リオ五輪同級銅メダルの高藤直寿が悲願の金メダルを獲得した。決勝で楊勇緯(台湾)をゴールデンスコア方式の延長戦の末に破り、日本勢金メダル1号となった。
初日から金メダル発進となった日本男子の井上康生監督(43)は男泣きしながら、「執念を見せてくれた。柔道家として駆け引きの天才。一見、厳しい戦いに見えたかもしれないが、彼にしかできない戦い方だった」と高藤への賛辞を送った。
学生時代奔放だった教え子は14年に練習時間の遅刻を繰り返し、強化指定の降格処分を受け、監督自ら丸刈りになって猛省を促した過去もある。ただ、リオの苦難を経てストイックに成長し、優勝した高藤からは第一声で「いろいろとご迷惑を掛けてすいませんでした」と言われたといい、「(苦労が)全部吹っ飛びました」と声を詰まらせた。
また、ベンチに入った軽量級担当の古根川実コーチが、前回のリオデジャネイロ五輪でつけていたネクタイをこの日着用していたことを明かし「リベンジの思いを持ち、果たしてくれた」と目を潤ませた。